吉岡里帆、「すべての原動力を新しいヒロインに捧げたい」 連ドラ初主演の決意を語る

昨年、2本のTBS系ドラマ『カルテット』『ごめん、愛してる』で大きな注目を集め、脇で輝く個性派女優から王道ヒロインへとさらに振り幅を広げた女優の吉岡里帆。同じくTBS系で放送される新ドラマ『きみが心に棲みついた』では、一風変わった挙動不審な主人公・小川今日子役でついに連続ドラマ初主演を果たす。顔なじみのスタッフが醸し出す暖かなファミリー感に包まれながら、「この作品に全てを捧げたい」と気合い十分の吉岡が、本作に懸ける熱い思いを語った。
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本作は、天堂きりんの同名漫画を実写化した恋愛ドラマ。主演の吉岡を軸に、大らかで明るい漫画雑誌の編集者・吉崎幸次郎を演じる桐谷健太と、爽やかな笑顔の裏に人の心をいたぶる冷酷な面を持つエリート・星名漣を演じる向井理が、奇妙でホラーな三角関係を繰り広げる。「個人的には断然、吉崎さんの方が好きですね。“人を傷つけてもいい”と思っている時点で星名とは合わない」と語る吉岡だが、最悪とわかっていても“人はなぜ惹かれるのか”、そこがこのドラマの肝にもなってくるようだ。
今回、吉岡が演じる今日子は、下着メーカーの材料課勤務のOL。自己評価・自己肯定感が極端に低く、オドオドしていて挙動不審、付いたあだ名が“キョドコ”。「原作を読んで、女性漫画のキラキラした物語の中に、じんわり毒素が入っていて、出てくる登場人物みんなが欠点だらけで、本当に人間臭いキャラクターばかり。その中でもキョドコは、根性も曲がっていて、情けなくて、いつも怯えていて、ダメな主人公」と分析。「でも、そういうダメなところこそ、逆に人間の“魅力”だと私は常々思っていたので、凄くやりがいがある」と笑顔を見せる。
原作者の天堂からも、「今回は、“こういう子だと愛される”とか、“支持を集める”とか、全く考えずに、自分が思うキョドコを自由に描いたから、この役を演じることによって、視聴者の皆さんに嫌われちゃったらごめんね」と、あらかじめ“お断り”が入るほど。それでも「新しいヒロインをお観せできる」という点でますます士気が高まったという吉岡は、「自身と共通する部分もたくさんあるので、そこを活かしたい」とアピールする。「例えば、自己評価が低いところは全く同じ。どんなにたくさんドラマに出させていただいても自信というものが根底に生まれてこない。ただ、逆に自信がないことを“原動力”に変えるところがあるので、キョドコを通して“ダメ人間でも必死にがんばれば何かを変えられる”というパワーを感じてくれたらうれしいですね」。