福士蒼汰、挑戦したいのは「狂気的な役」 笑顔に隠された野望
文明開化が進む明治初期、琵琶湖のほとりにある大津を舞台に、個性豊かな三兄弟が躍動する実写映画『曇天に笑う』。主人公の曇天火(くもう・てんか)を演じた俳優・福士蒼汰が、本作への思いや鉄扇アクションの苦労を語り、「狂気的な役をいつか演じてみたいです」と新境地開拓への意欲を示した。
【写真】福士蒼汰『曇天に笑う』インタビューカット
同映画は、唐々煙が手がける同名コミックを原作とするアクションエンターテインメント。全てを滅ぼす力を持つと恐れられる「オロチ(大蛇)」の復活が人々の間でささやかれる最中、町の平和を守る曇神社の14代目当主・天火が、オロチ復活を阻止すべく戦う。
福士は、本作を「男心がくすぐられる映画」と評価。「観ていて胸が熱くなりました。天火がヒーローとして活躍するのに加えて、犲(やまいぬ)という特殊部隊がいたり風魔という忍者の一族がいたり、男心をくすぐられる要素がたくさんあります。最後の戦いも三つ巴で、組織がぶつかっていく感じが面白いです」。
作品タイトルにあるとおり、キーポイントの一つは笑い。福士といえば笑顔の印象が強い人も多いだろう。「自分自身も笑いますし、自然に笑っています。ただ今回は、笑うことの意味を考えました。兄弟に見せる笑顔、犲ら昔の知人に見せる笑顔、金城白子(きんじょう・しらす)という信頼する居候に見せる笑顔は、それぞれ違うのではないかなと意識しながらやっていました」と明かす。
劇中の天火は、小さな鉄扇を使い、相手の懐へ入って戦う。日頃からブルース・リー創始の格闘技「截拳道(ジークンドー)」やフィリピン武術「カリ」などのトレーニングに励む24歳の目には、天火の戦い方はどう映るのか。
「人を殺さないということが一番念頭にあると思います。昔、犲にいたときは人を殺める方法を勉強していたと思うんですが、今は犲から抜けて三兄弟の長兄として生きている。代々受け継がれているであろう鉄扇で戦うこと、そして争いを止める生き方を選んだのだと思います」。