岸井ゆきの、女優業の歩み『これがやめられない』という気持ちがある
人気バンドのPVや映画・ドラマなど、多彩な出演作を持つ岸井だが、女優の道を歩むことを決心したのは、事務所に入ってから。「舞台のワークショップを受けて、演出や役者同士の対話で作品がどう変わっていくのか、とか、作って壊してまた組み立てる、とか一つの演目ができるまでのさまざまな過程が面白くて、いろいろな劇団のオーディションに応募しました」と回想する彼女は、「19~20歳の時に、1年に5本くらい出演させていただいて、その時に『あ、これはもう絶対にやめられない』と思いました」とニッコリ。「他の職業に就くことも、あんまり考えられなかった」そうで、「『これになろう』というよりは、『これがやめられないだろうな』という気持ちの方が、信用できると思ったんです」と女優業を歩み始めた背景を明かす。
そんな岸井に理想の役者像を問うと、「誠実な気持ちと、広い目線で周りを見渡せるゆとりは持っていたいなと思います。神木さんに初めて会った時にすごく思ったんです。全く気取っていなくて気さくで、共演者やスタッフさんが入りやすいすき間を作ってくれているというか、懐が深いんです」としみじみ。1歳年下の神木とは、撮影の合間に何気ない会話で交流を重ねたそうで「自然に現場の緊張が解けていきました」と述懐。そして「座長がチームを引っ張って走り抜ける組もあれば、今回の座組のように、そこに根を張って高く積み上げていくチームもあるんだなと主役のあり方も学びました」とこれから自身が目指す役者像を明かしてくれた。(取材・文・写真:岸豊)
新ドラマ『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』は、NHK総合にて4月21日より、毎週土曜20時15分放送。