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『カメ止め』上田慎一郎監督、心境は「プレッシャーとワクワク」

映画

『カメラを止めるな!』BD&DVD発売に先駆け上田慎一郎監督にインタビュー
『カメラを止めるな!』BD&DVD発売に先駆け上田慎一郎監督にインタビュー クランクイン!

 2018年、邦画界のニュースとなったのが『カメラを止めるな!』の超特大ヒット。「僕を含めて、地球上の誰もが想像していなかった」と上田慎一郎監督自身も驚きを隠せない。次回作に注目が集まるのも必至だが「プレッシャーがないと言えば嘘になる。本作を超えるのは相当困難」と言いつつ、「ワクワクもしている」と笑顔を見せる。環境が目まぐるしく変化する中、上田監督が今後も「なくしたくない、変わりたくない」と思っていることは何なのか。ヒット後の心境に迫る。

【写真】第31回東京国際映画祭に登壇した『カメ止め』上田慎一郎監督とキャスト陣

 ワンシーンワンカットのゾンビ映画と、その製作者たちの舞台裏を描く本作。見事な伏線回収と映画づくりへの愛にあふれた内容で、口コミが加速。インディーズ映画としては異例の大ヒットとなった。「インディーズ映画としてのヒットは目指していたけれど、まさかこんなことになるとは」という上田監督だが、「毎日のようにうれしいニュースが飛び込んでくる。僕自身“こうなればいいな、この人に会いたいな”と思っていた夢が次々に叶っていった、永遠のように濃い4ヵ月でした」と公開後は現実が夢を追い抜く瞬間を「何百と見た」と語る。

 何よりうれしかったのは「これまでは“結果を残さなければ”などいろいろなことを考えて、短編をつくってきました。でも本作は、僕の好きなことを詰め込んでつくった映画。それがお客さんを楽しませ、結果を残してくれたので、“好き”という気持ちを信じていいんだなと思えた」と自信になったこと。「オーディションでは、不器用な人たちを選んだ」というキャスト陣の飛躍にも大喜びで「彼らがドラマに出たり、事務所に入ったりしていく姿を見て、自分のこと以上にうれしかった」と目を細める。

キャスト陣の飛躍が「自分のこと以上にうれしかった」と語る上田慎一郎監督
 映画づくりを目指しながらも、ネズミ講に引っかかったり、借金生活のあげくホームレス生活を送ったりと、数々の失敗を重ねてきた経験のある上田監督。今では「トライアンドエラーを繰り返すこと」がひとつの信念となっている。本作がヒットしてからは一層、映画づくりを学ぶ人々からアドバイスを求められることも多くなったが、「“まずは撮れ”と言っています」と上田監督らしいメッセージを贈る。「一発目から100点を目指している人が多い。僕は20点、30点のものを大量生産して、失敗を重ねてきたからこそ今があります。若いうちはトライアンドエラーを繰り返してみてほしい」とのこと。

 とはいえ「“失敗は貯金と思え”とかよく言いますが、精神論なんですよね…情熱だけではもたない」と正直な想いが飛び出す。「僕は失敗を集めようと思っていたわけじゃなくて、すべて“ガチの失敗”なんですよ(笑)。失敗しても凹まない仕組みを作れたことが、ここまで来る上で大事でした。僕はツライこと、苦しいこともすべてブログにアウトプットするようにしてきました。すると自分自身を保つこともできるし、読んでくれる人も楽しませることができる」と、「誰かを楽しませたい」との想いが上田監督を常に突き動かしてきた。

 「この先どんなことがあっても、ずっと僕の背中を押してくれる映画になりました。“ターニングポイント”です」と本作を表現し、「ここまでにいろいろなことがありました。『カメラを止めるな!』のヒットまでが、僕の人生のひとつのチャプターだと思っています。妻との出会い、キャストをはじめ本作に関わってくれた人との出会い、そのすべてがつながっている。点と点が線になって、大爆発したという感じです」とあらゆる“出会い”に対する感謝も忘れない。そこで気になるのが新たなチャプターで、「『カメラを止めるな!』の上田監督」と必ず言われること。それに対しては、「プレッシャーがないと言えば嘘になる」と告白する。

 「300館拡大公開など不可能なことを成し遂げた。これを超えるものをつくるのは不可能なんじゃないかと思うけれど、どうやったら超えていけるんだろうというワクワクもあって。相当、困難だと思いますよ。でもだからこそ、いいなと思っています」とたくましい一言。「もし次に興行的に大コケして、批評的にもボロクソ言われて、ホームレスになったとして。しかも今度のホームレスは、一度成功しているだけに前回よりキツイ。でもそこから復活劇を遂げたら、ものすごい熱いですよね。そう考えると、怖いものはない」とどんな壁も“楽しみ”に昇華する。

 そして、たとえメジャーに進出したとしても忘れたくないのが「“楽しむこと”と“挑戦すること”」とキッパリ。「一番キツイのが、“まあまあだった”と言われる映画をつくってしまうこと。それならば、思い切り挑戦してボロクソに言われたほうがいい!」とこれからも全力疾走を約束!上田監督の未来が楽しみでならない。(取材・文・写真:成田おり枝)

 映画『カメラを止めるな!』のBlu‐ray&DVDは、12月5日(水)発売。同日レンタル(DVDのみ)、デジタル配信開始。

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