本上まなみ、子育てで実感「子どもは自分とはまったく別個の存在」

女優の本上まなみが、地域と人と食を描いてきた大泉洋主演の「北海道映画」第3弾『そらのレストラン』(深川栄洋監督、1月25日全国公開)に出演している。洞爺湖を舞台とした2012年公開『しあわせのパン』、空知が舞台の2014年公開『ぶどうのなみだ』と続く同シリーズだが、今作の舞台は道南の「せたな町」。海が見える牧場でチーズ工房を営む亘理(大泉)が、家族や仲間と共に1日限りのレストラン開店を目指す。本上は亘理の妻・こと絵を演じる。
【写真】『そらのレストラン』本上まなみインタビューフォト
せたなで実際に循環農業に取り組む農民ユニット「やまの会」をモデルに、さまざまな食材を一つに包み込む「チーズ」と、その味わいのごとく濃厚な「仲間」の絆が描かれる。
「こんなこと本当にあるの?というファンタジックなストーリーなので、実在の方々がモデルと聞いたときはびっくりしました。撮影も、実際にその人たちがいる場所をお借りしたので、こと絵のモデルになった牧場の奥様もいらっしゃってお話をうかがうこともできました」。
本上まなみ、『そらのレストラン』インタビュー
恵まれた環境下での撮影。役作りはスムーズだったようだ。
「その場所に立ったら、『あっ』と感じるものがあって。周りの雰囲気が教えてくれるんです。牛がいて、牧草の広がる向こうに海が見えていて。面白いと思うのは、モデルとなった人たちを見ていると、それ以上のことはいらないというか、佇まいだけで人となりが分かるんです。脚本のストーリーそのまま、何も嘘もなく来たんだなって」。
もう一つ、主演の大泉の存在も撮影中、大きかったと振り返る。
「亘理さんの、自分が好きなものを突き詰めたいという思いと、でもなかなか理想像に近づけず苦悩している様子を間近で見ていたら、本当に支えてあげたいなって心から思えたんです。それも何かをいろいろ言うのではなく、優しいだけで横にいるのでもなく、よく彼のことを見ていて、いま何を言ってあげたら支えになるのかということを考えている。こと絵はそんな女性だな、と分かったんです」。