福田麻由子、「芝居自体ができなくなった」10代後半 女優人生20年目の今を語る

ドラマ『女王の教室』、映画『Little DJ 小さな恋の物語』『ヘブンズ・ドア』など、数多くの作品で印象を残してきた女優・福田麻由子。その女優人生は、2000年にドラマデビューし、今年で20年目を迎えるが、音楽青春映画『ラ』では、執着にも映る愛を主人公に向けるゆかりを演じ、大人の女性として新たな顔を見せている。演じることの原点に戻れたという福田が、芝居ができなくなっていた10代後半のもがきを告白した。
【写真】子役から大人の女性へ「福田麻由子」インタビューカット
バンドのボーカル・慎平(桜田通)だけを見てきたゆかり。バンド解散後も思いは変わらなかったが、ある出来事をきっかけに、ふたりの関係に、そして彼女自身に、変化が生じていく。
「ゆかりは私とは全く価値観の異なる役でした。でも、お話をいただけてうれしかった。これまでやらせていただいた多くが、芯が強くて自分をちゃんと持っている役でした。それらとは違う、他人に依存してしまうような役をやりたいとずっと思っていました。だからとてもうれしかった。ただ、実際に演じてみて、ゆかりには弱さもあるけれど、私にはない強さもあると感じました」と振り返る福田。
(C) 2018映画『ラ』製作委員会
ゆかりを演じていた間は、自分自身を役に捧げた。
「昔、役と自分を切り離せなくなってしんどい思いをしたことがあったんです。そのこともあって、役と自分をどこかで冷静に切り離したほうがいいと思ってきたところがありました。でも、これから役者としてどうやっていくべきかと考えたとき、そんなことを言ってないで全部染まってみようと思ったんです。私のすべてをゆかりに捧げようと」。
全霊でゆかりを演じた福田だが、今に至るまでの10代後半には、子役出身ゆえともいえる“もがき”を経験していた。
「周りの目も、私自身も、変化に戸惑っていました。周囲も私に子役としてのイメージを持っているし、私自身も大人の役者として現場にいることに追いついていない部分があった」。そうした不安定さが、焦りやプレッシャーへとつながっていった。