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山崎賢人、俳優デビューから10年「何度も壁にぶち当たった」

映画

■俳優業は「正解がないから悩み続ける」も「正解がないからこそ面白い」


 突破口となったのは、先輩からの言葉。そして、自らの心に向き合う時間。「『ジョジョ』のときは、山田孝之さんが『漫画原作であっても、心が大事』と言ってくださって、すごく心に響いた。『羊と鋼の森』は悩みながら、コツコツと進むことで成長していく主人公だったので、考えてみると、それって自分の状況とも重なるなと思って。コツコツやってみようと思えた。正解がわからない仕事なので、その都度、悩み続けるしかないのかもしれません」と作品ごとに全身全霊で挑み、「結構、考えすぎてしまうことがあって、キツイなと思うときもありました。友達からは『賢人は(人生においての比重が)仕事が100パーセントになっている』と言われることもあった」と人気俳優の素顔は、周囲も認める“努力の人”だ。

 「正解がないから悩み続ける」と語るが、同時に「正解がないからこそ、面白い。自分がやる意味がきっとそこに生まれる」と役者業に意欲をみなぎらせる。「やっていると、照明もマイクもスタッフさんも見えなくなって、ゾーンに入るようなときがあって。そういったときはこの役を生きることができているなと感じる。この感覚は役者業にしかないものなのかなと思う。すごく面白いです」。

 また永田が同世代の劇団の芝居を見て涙を流すシーンにちなみ、「泣いた思い出」を聞いてみると、ほほ笑ましいエピソードが飛び出した。「昔、打ち上げで泣いてしまったことがあります。キャストって、前に出てあいさつをしたりするんですが、僕、人前で話すことがすごく苦手で…涙が出てきちゃって。今は話せるようになりましたが(笑)」と楽しそうに笑うなど、芝居に向かう真っ白な気持ちと同じく、こんなピュアな一面もなんとも魅力的。

 現在、25歳。30代に向けて、本作は大きな礎となりそうだ。「自分にとって挑戦的な作品だった。今の自分だからこそ、演じることができた役。今しか出せない、自分のすべてを出し切りました」と胸を張り、「『こういう役は意外だよね』と言われることがなくなるくらい、もっといろいろな役に挑戦していきたい。やったことのないことに向かっていく方が、楽しそうですよね」とニッコリ。道なき道を、山崎賢人はワクワクしながら走り続ける。(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)

 映画『劇場』は7月17日より全国公開、Amazon Prime Videoにて独占配信。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

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