草なぎ剛、40代からの変化と感謝「年月を経て許し合えていく部分がある」
■40代を迎えて変化と感謝「年月を経て許し合えていく部分がある」
現在46歳の草なぎ。『ミッドナイトスワン』に出演したことで、思いを新たにしたこともあった。「誰しも、認めてもらいたいという本能があると思うし、自分自身でも認める力はすごい大切なんだなと学びました。僕も、コンプレックス、自分の足りないところ、劣等感を許せる自分になっていこうと意識しています」と変化を明かす。
さらに、草なぎは「凪沙を演じて、特に母ちゃんについて考えることが多くて。“どんな感じで、俺のことを育ててたっけ”って」と、両親にも思いを向けるきっかけになったそうだ。「(自分に対して)結構素っ気ない感じかなと思っていたけど、両親から本当はすごく愛情を注いでもらっていたし、心配してくれていたことに気づいたんです。…本当に遅いんですけど、40代になってようやく(苦笑)。この撮影をするくらいで、親のありがたみがわかってきた感じで。年月を経て許し合えていく部分が、僕自身も今すごくあるんです」と、ひとかたならぬ思いを口にした。
「やっぱり人はひとりじゃ生きていけない。家族や身近にいる大切な人に感謝を伝えることは、そんな難しいことじゃないんだなと思っています。“照れくさい”なんて言ってる場合じゃないなって」。では、最近行った愛情表現は? と聞くと破顔し、「母ちゃんにクッションを買ってあげました。一番でっかいやつ。しかもね、黄色(笑)」と教えてくれた。人間として、俳優として、円熟味を増す草なぎ。彼ならではの心に訴えかける芝居の秘密は、その人間力にあるのかもしれない。(取材・文:赤山恭子 写真:ヨシダヤスシ)
映画『ミッドナイトスワン』は9月25日全国公開。