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草なぎ剛、40代からの変化と感謝「年月を経て許し合えていく部分がある」

映画

草なぎ剛
草なぎ剛 クランクイン!

 これまでさまざまな人物を演じ、観る者に鮮烈な印象と感動を与えてきた草なぎ剛。彼の新たなキャリアに加わった役が映画『ミッドナイトスワン』で演じたトランスジェンダー・凪沙だ。トレンチコートのひもをキュッと結び、ヒールをかつかつ鳴らし、寂れた都会の路地裏を歩く。そのたたずまいはスクリーンで得も言われぬ存在感を放ち、まだ知らない草なぎの顔があったこと、俳優としての底知れない才能に圧倒される。試写後、「席を立てなかった、ずっと浸っていたかった」と言うほど自身ものめり込んだ本作について、また、年を重ねたことで実感したという許し合うことの大切さについて、語ってもらった。

【写真】佇む姿もかっこいい 草なぎ剛撮り下ろしカット

■“トランスジェンダーだから”はなく、等身大の草なぎ剛で


 トランスジェンダーとして日々身体と心の葛藤を抱え新宿を舞台に生きる凪沙と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く本作。凪沙は一人で生きてきた一果と出会い、自らの“性”に葛藤し、実感したことのなかった“母性”を自覚していく。

 草なぎの演じた凪沙は、田舎の両親に東京でサラリーマンをしていると思わせているが、実際は、夜のショーパブでスワンとして舞い、日銭を稼ぐトランスジェンダーだ。草なぎは、トランスジェンダーの人たちに会うほか、多くの資料や映像に目を通し、準備を行ったという。結果、「"トランスジェンダーだからこういう感じ"とかは全然なかった。(演じる際に)あまりにやろう、やろうとすると、大げさになってしまう。凪沙は特別な人じゃないから」と、人物への理解を示す。

 「生きていれば、誰もがストレスやコンプレックスを抱えていると思う。だから、凪沙は僕自身なのかな、と思ったりしたんです。等身大の“草なぎ剛でいいな”みたいな感じで、やりました」。作りこまずに表現するという挑戦。凪沙が放つ哀しげなムードや憂い、迷い、確固たる決意が、草なぎの体を通して、より実態を持った。

■「ずっと浸っていたい」 鑑賞後、今までで一番席を立てなかった


 物語は、母親からネグレクトを受けた親戚の少女・一果が、一時的に凪沙のもとに預けられるところから始まる。「子ども、嫌いなの」とにべもない養育費目当ての凪沙に対し、反抗的な態度を崩さない一果。寄りそう努力からも離れたふたりが、さまざまな事柄を経て心を通わせていく。徐々に母性が芽生えていく凪沙の感情が、絶品だ。

 一果役の服部樹咲は、本作で女優デビュー。無垢(むく)な服部の演技から受けた刺激は大きいという草なぎは、「一果は…僕もですけど、その役をやるために生まれてきたんだな、と思わせてくれるというか。演技をしたことのない子が役としてそこにいると、それ以上の説得力ってない。凪沙は難しい役だったので不安もあったけど、彼女を見たときに“ああ、僕がいろいろ考えたところで、どうなる話でもないな”と思ったんです」と、一気に語る。「一果がゼロに戻してくれた。何にも考えなくていいって、実はなかなか思えないこと。でも、今回は本当に無意識の状態で演じることができた、数少ない現場なんです」。


 草なぎと服部によって紡がれるシーン、凪沙と一果が互いのためを思い取る行動は、時として残酷な結果を招き、大きな感動も呼ぶ。草なぎは言う。「今までも自分の作品を観て“あっ、いいな”と席を立てなかったことがあったけど、今回は一番立てなかった。映画館だったら、2~3分は“いい映画だったな…”と思って席にいただろうな。余韻がすごくて、ずっと浸っていたかったです」と、試写を観た感想を、照れ笑いも交えて話してくれた。

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