シルク・ドゥ・ソレイユの指導も 『ワンダーウーマン 1984』ガル・ガドット&共演女優が明かすハードな舞台裏
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●超絶ワイヤーバトルをシルク・ドゥ・ソレイユが指導
人間の心に目覚めていくダイアナの成長とともに、アクションもさらに激しさを増していった本作。それは、ジェンキンス監督の「本物へのこだわり」だとガルは強調する。「パティは、今回も実写で撮ることにこだわり、CGは極力使いたくないという方針を打ち出したの。つまり、それだけリハーサルや舞台装置の開発・セッティングに時間をかけて作るということになりますよね。ショッピングモールでの大バトルも、ワンダーウーマンとチーターの激突シーンも全て実写。あまりにも危険なシーンはスタントチームが代役を務めたけれど、ほぼ私たち俳優が自分の肉体を使ってアクションに挑んでいるんです」。
(C) 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
特にワイヤーを使ったアクションは苦戦を強いられた。「CGで使われている補助的なワイヤーアクションならなんとかこなせると思いますが、ワイヤーだけで本格アクションを表現するとなると、その道のプロでなければなかなかできないこと。そこで、『シルク・ドゥ・ソレイユ』の方々に現場に来ていただいて、動きや振り付けなどを厳しく指導してもらいました」と述懐。さらに、兵役のあるイスラエルで生まれ育ったガルは、以前、ワンダーウーマンを演じるに当たって、「軍でのトレーニングが生きた」と語っていたが、本作では、ダンス経験がアクションに役立ったと明かす。「私は昔、振付師を目指していたので、ダンスをやっていた時期があるのですが、その経験が役立ちました。ワンダーウーマンのアクションは、彼女自身が攻撃的なのではなく、相手を傷つけず、平和を追求するための戦い。それがダンスの振り付けとすごくマッチするところがあったようですね」と振り返る。
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そんなガルの敵役に選ばれたクリステンは、どちらかといえばアクションとは縁遠い女優だっただけに「トレーニングはとにかく大変でした」と告白。「ガルと一緒にジムに行って、それからアクションの振り付けをやって、スタントの方が練習をしている間に、今度はガルと2人でリハーサルをやる…とにかく考えること、覚えることが多すぎて」と苦笑い。ただ、ガルの明るい性格に救われたというクリステンは、「2人で適当な歌を作って合唱したり、大声で笑いあったり、現場のスタッフに迷惑がかかるくらい盛り上がっちゃって。最初は追いつかなければと必死だったけれど、逆に彼女がいなかったら、あんな大変なトレーニング、絶対に乗り切れなかったわ」と感謝を口にした。
「宇宙以外の陸・海・空、全ての場所で戦ったよね」と冗談まじりに言い合うガルとクリステン。CG映像とは全く違う重量感を持った迫力の実写映像は、スクリーンで観てこそ価値がある。2人が身を削って作り上げたスーパーバトル、特にIMAXで観る高精度の映像は度肝を抜くことだろう。(取材・文:坂田正樹)
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映画『ワンダーウーマン 1984』は公開中。