南沙良「“暗そう”と言われる」18歳 “推しキャラ”の前では明るい素顔
■女優業はコンプレックスと向き合うこともできる仕事
『幼な子われらに生まれ』(2017)で女優デビューを果たした南。演技初経験ながら、思春期の戸惑いや、いら立ちを見事に体現し、2018年の『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では、吃音症に悩むヒロインを熱演。同作で第43回報知映画賞新人賞や第61回ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど、“演技派”としてめきめきと頭角をあらわしている。
放送中のドラマ『六畳間のピアノマン』(NHK総合/毎週土曜21時、全4回)では、地下アイドルの女子高生・美咲を演じており、「美咲は自分のやりたいことと、自分のできることなど、ギャップに悩んでいる女の子。“自分の本当にしたいことって、なんだろう?”と考えるきっかけをくれるような役柄でした」と話すが、南自身は幼少期に抱いた「女優になりたい」という思いを強く持ち続けて、歩んできたという。
「幼稚園生くらいの頃には、すでに“女優さんになりたい”と周りに言っていたみたいで。“違う人になりたい”という憧れが強くて、女優さんはその願いをかなえられるお仕事なのかなと思いました」と述懐。その夢を実現させた今、作品を重ねるごとにあらゆる発見をしていると話す。
「『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』に出演して、実際に吃音を持っている方にお話を聞く機会もありました。またこれまであまり歴史を勉強してこなかったのですが、大河ドラマをきっかけに、歴史も深く自分の中に落とし込んで、大姫という役を演じていきたいと思っています。女優業は作品を通して、いろいろな勉強、発見ができるお仕事だと思います」。さらに「私はコンプレックスの塊で…」と苦笑いを見せながら、「『志乃ちゃん』を通して、コンプレックスは“嫌だから排除する”というものではなくて、見方を変えれば自分の大切なもので、それと向き合うことが何より大事なんだと気付きました」と女優業が自分を探究する手がかりにもなっているという。