芸歴25年の岡田准一、チャレンジできないなら「やらない方がいい」
俳優として活躍を続ける岡田准一。カリ、ジークンドー、USA修斗といった武術や格闘技にも長けており、インストラクター資格を持つ彼は、アクション俳優としての評価も高い。人気コミック『ザ・ファブル』の映画化第2弾となる『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』では、主演のみならず、ファイトコレオグラファー(殺陣の振付師)としてクレジットされている岡田が、「世界に売れる日本のアクションを!」と熱い思いを語った。
【写真】アクション指導も行う岡田准一 『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』場面カットも
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
岡田が演じるのは、裏社会で伝説の殺し屋“ファブル”として恐れられていた暗殺者。あるときから、「誰も殺さずに暮らせ」とボス(佐藤浩市)から命じられ、素性を隠して佐藤アキラという偽名を名乗って一般社会に溶け込み、相棒のヨウコ(木村文乃)と兄妹(きょうだい)を装い“一般人”として平穏な日々を過ごしていた。しかし、表向きはNPO団体代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す危険な男・宇津帆(堤真一)と出会い、また、かつてある事件で自分が救えなかった車いすの少女・ヒナコ(平手友梨奈)と再会したことから、巨悪との戦いを余儀なくされる。
◆芸歴25年、チャレンジできないなら「やらない方がいい」
アクション指導も行う岡田准一(メイキングカット) (C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
「芸能界で25年仕事をしてきて、チャレンジできないのであれば(この仕事は)やらない方がいいと思っているんです」という岡田。「そういう意味でも、『ザ・ファブル』のように、チャレンジさせていただける、クレイジーになれる現場というのは宝物です」と喜びを口にしながら、本作でのチャレンジを振り返る。
冒頭から、立体駐車場での激しいカーアクションを見せる岡田。走る車の窓にしがみつき、果ては屋上から車ごとダイブする。
「通常の道路だと道路交通法違反になってしまうので、原作通りの立体駐車場での撮影になりました。少しずつリアルでできるようになっています」と変化に触れ、「それを可能にする優秀なアクションマンの方々が日本にはたくさんいます」という岡田。
本作では、優秀なアクションマンを起用し、その能力を発揮させた。特に後半、一般の人々がいる団地で、工事用の足場を使いながら敵と戦う場面では、爆発シーンもあれば、外壁をよじ登るシーンがあったりと、彼らがいるからこそ可能となったアクションが満載だ。
「ブラジリアン柔術に長けている橋本知之さんという方に、今回、団地でのアクションに参加していただきました。ものすごくマニアックな技も披露していただきつつ、エンタメとしても昇華してくださっています」。
ファイトコレオグラファーのクレジット通り、完全に俳優というポジションを超えている岡田。アクションへの思いは、どこから始まったのだろうか。
「世界に売れるものをどう作っていくのか。それが、僕がアクションを始めたきっかけです。売れる作品、そして世界に誇れる作品を作りたいと思ったときに、アクションは言葉を介さず、世界に伝えられるので、一番現実味があると思いました」。