芸歴25年の岡田准一、チャレンジできないなら「やらない方がいい」
◆アクションは勉強の日々「日本から世界へ誇れる新しいアクションを」
銃を構える“伝説の殺し屋“ファブル(岡田准一)(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
そしてアクションを学ぶ日々を重ねた。体を鍛えただけではない、アクションの構成についても学んだ。
「大ざっぱに分けると、アクションには西洋と東洋の違いがあります。西洋は監督に力があって、監督が撮りたい画を優先します。東洋の場合は、武術発祥の地であることも関係してか、主人公や殺陣師に力があることが多いです。日本も、以前は役者が体を使えていました。ですが、徐々に主人公を真ん中に置いて周りが斬られにいく形になり、体を使うことが少なくなってしまったように思います」と分析したうえで、「これから日本オリジナルのアクションの形を作っていければと思っています」と話す。
「監督がどういう画を撮りたいのか、物語の中でアクションがどう構成されていくのか、それをどう表現していくのか。西洋と東洋の長けたところをどう組み合わせていくのか試行錯誤しながら、日本から世界へ誇れる新しいアクションを作っていきたいです」。
「今は世界的に見ると日本のアクションは、遅れている部分があると思います」と漏らしながらも、「誰かがこの現状を打ち破る必要があると思います。クレイジーになる必要があるんです」と自らアクションを続ける姿勢を含めて力強く断言する。
◆最大限のチャレンジも「満足はしていません」
“最狂の敵”宇津帆(堤真一)と向き合う”殺し屋“ファブル(岡田准一) (C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
「日本でできる最大限を越えていくことを積み重ねていった先に、日本のオリジナルのアクションができると思っています」と希望を語る岡田。
実際「仲間集めをずっと続けてきました」といい、「アクションに興味を持つ役者さんも増えていますし、どんどん日本のアクションを活性化していきたいです。僕ではなくても誰かが、日本から世界へ、商売として売れるエンタメを作っていってほしいです。自分が少しでもその力になれるならうれしく思います」と力強く前を見据える。
さらに「僕も武術という面での技術はまだあまり出していないです」と驚きの発言も。
「今回の作品は今できる最大限のチャレンジをしています。でもまだまだ満足はしていません」と強い瞳のままにほほ笑んだ。コメディー要素もある本作では、自身のコメディセンスを発揮し、随所で笑わせてくれる岡田だが、アクションについて語る姿は頼もしいのひと言。岡田が仕掛ける「日本でできる最大限を越えていくことの積み重ね」を目撃していきたい。(取材・文:望月ふみ)
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は6月18日より公開。