「大食い・水着NG」ぼる塾 ブレイク後に気付いた本当の理由「NGというより挫折」
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■NGは挫折だったと気付いて生まれた責任感
ーーぼる塾さんは、大食い・水着・体を張ることなどの企画は基本的にNGだと公言されています。NGを貫いたことで得られたものはありましたか?
あんり
あんり:最初は本当に「やりたくないな」と思って出したNGでした。それを1度テレビで言ったら、それが自分たちのアピールポイントみたいになって、体を張ったりする人のことを否定的に見てる感じに映ってしまったんです。でも、そうじゃなかったはずなんですよね。
実際に自分たちができないお笑いをしている人を間近で見て、自分たちが「やらない」のではなくて「すごすぎて、こんなことできない」と思ったからNGを出したんです。「かわいそうだと思わせない」「ちゃんと笑えることにする」ってすごいテクニックだし、努力だと思うんですよ。
だから“NG”というよりは“挫折”だと気付きました。だからこそ、できないことを「できない」と言うのであれば、「やれる」と受けた仕事に対してはやらなきゃいけないんだ、という責任感を持てるようになりましたね。NGを出すというのは、「やらない」を主張することじゃなくて、「やる」を頑張らなきゃいけないこと。簡単に出したNGだったのですが、自分たちが軽く言ったことってすごいことだったんだなって今になって実感していますし、気付いたことで成長したいと思っています。
田辺:昔、女芸人の後輩ですごい体を張ってバンバン笑いをとってる子がいたんです。それを見て、悔しかったんですよ。まだぼる塾を組む前に、あんりに「あれできる?」「あれでは勝てないよね」と言ったことを今思い出しました。
あんり:逆に言えば“好き”でこれだけやってる田辺さんは本当にすごいと思います。NGを挫折って言いましたけど、それを乗り越えて別の道に行くというか、突き詰めたことをやってる。見ててやっぱりおもしろいじゃないですか、好きなことを語ってるときの田辺さんって。
ーー確かに、田辺さんはスイーツやKAT-TUNなど好きなことをたくさん発信していますよね。
田辺:最初に私が“好き”を突き詰めていこう、って思ったきっかけはあんりかもしれない。出始めたときに、あんり一人の仕事が増えてきて「あら? このままじゃやばいな」って少し焦っちゃったんです。同じグループで仲間だけど、(現在育休中の)酒寄(希望)さん含めメンバーはライバルでもありますし。
だけど、焦っている中でも、好きなものを発信して「私は人生を楽しんでるよ」ということを伝えていこうと思ったんですよね。それがアニメとスイーツとKAT-TUNさんだっただけ。私の好きはビジネスではなく、“純粋な好き”で、武器だとは思っていませんでしたが、今仕事につながって、結果的に良かったと思っています。
あんり:私が「NGは挫折だ」と気付いた頃に、ちょうど田辺さんがスイーツや好きなことで注目され始めたんです。そこで「田辺さんがいてくれてよかったな」と思いました。挫折を挫折だけで終わらなくしてくれたし、「好きなことを貫いていく」という生き方を一緒にやってくれて助かったな、って。「できない」って言ってるだけのぼる塾を、田辺さんが変えてくれた。
きりや:ありがとう!
田辺:いっぱい食べてきてよかった(笑)。
きりや:私は、あんりのピンの仕事が増えて、田辺さんもだんだん増えてきて…焦りというよりは「なんとかなるだろ」みたいな感じでいました(笑)。でも、インスタグラムになんとなくあげていた田辺さんとあんりの写真が、2021年のカレンダーになって、ただ好きであげていた写真が仕事につながったのは、すごくうれしかったです。写真を撮ることは本当に好きなので、いつか二人の写真集が出せたらいいなと思うし、今の私の夢です。あと、幼なじみであんりの写真が多いので、あんりの写真をネタに使って、いつかR-1の決勝出たいな、と…
あんり:いや、自分のネタでいってよそれは(笑)。
インタビュー中も抜群のチームワークを見せ、終始楽しそうに語ってくれたぼる塾。“NG”を“挫折”だといい、働きやすさや好きを突き詰める姿からは勇気をもらえる。ぼる塾のお笑いが多くの人を楽しませているのは、彼女たち自身が自分を楽しんでいるからかもしれない。この先の未来も、彼女たちが幸せそうに笑う姿をずっと見ていたい。(取材・文:山田果奈映 写真:高野広美)
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