生駒里奈、デビュー10周年 グループ卒業後の成長は「物事にドライになったこと」
◆卒業後は物事に対してドライに 目標は“個”の強い存在感
――乃木坂46の1期生として2011年にデビュー。この10年を振り返るといかがですか?
生駒:10年のうち6年くらいは記憶がないんです(笑)。それくらい忙しかったし、日々の経験が信じられないくらい楽しかったし、つらかったと思うし…。本当に覚えている記憶ってここ数年、卒業してからくらいしかなくって。もったいなくて、ちゃんと覚えておきたかったな~って思いますね。
――そうすると、転機になったのはグループ卒業でしょうか?
生駒:いや、転機はオーディションに合格したことですね。あそこが一番。あれからすべてが変わりましたね。
――この10年で挫折を感じた経験は…?
生駒:挫折はないです。よく失敗したことありますか?とか聞かれるけど、たぶん最初の5年間くらいはなにも知らない状態でテレビに出ていたので、できないことがほとんどで悔しい思いをしていました。その当時は“あぁ、できなかった~”って思っていましたが、“できないことをやっているからそりゃそうだよね”って大人になった今なら、優しく過去の自分に声をかけてあげられますね。
これからきっと挫折が待っているんだろうなって思うとすごく怖いけど、落ち込んだ時に自分をどうやって回復させて次に生かせるかっていうことはなんとなく知っているので、今は、これからどんな挫折を経験するんだろうっていう怖さと楽しみがあります。
――卒業から3年が経ち、自分自身で成長したなって思うところはありますか?
生駒:物事に対してドライになりましたね。仕事に対してある種の一喜一憂がなくなったことによって、無駄な悩みというか、言葉が悪いけど「そんなことで悩んでも何も始まらないよ」っていう悩みを持たなくなりました。おかげで、効率は良くなったような気がします。
――プライベートでの変化はいかがですか?
生駒:気分転換やリフレッシュができるタイプではなかったんですが、アサイーボウルが好きなので買いに行って食べたりするようになりました。あと、25歳になったので、眉毛と爪をきれいにしようと思って。ネイルサロン行ったり、眉毛サロンに行ったり。そういうことが最近の気分転換になっていると思います。
――今後、“女優・生駒里奈”としてどんな存在になりたいという目標はありますか?
生駒:お仕事を毎年休むことなく続けられたらそれが一番かなって。個の印象が弱くならない限り、何をしていても大丈夫だと信じているので、“個”が強くて、求められるような人になれればいいなと思っています。
「昨年いろいろなものが中止となって、再演という形をとれるものって少ないと思うんですが、この『‐4D‐imetor』という作品を上演できることはすごくうれしいですし、悔しい思いをしている人がたくさんいる中、こうやって作品を生きさせることができることは本当に奇跡なんだってすごく感じた1年だったので、しっかり責任をもって演じたい」と真摯(しんし)に語る生駒。悩み迷いつつも、さまざまな人や作品に磨かれ、一歩ずつ着実に自分のペースで、生駒里奈という唯一無二の“個”に近づいている印象を受けた。(取材・文:編集部 写真:松林満美)
エン*ゲキ#05『‐4D‐imetor』は、8月5日~15日に東京・紀伊國屋ホールにて、8月28日~29日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。8月5日19時公演ではライブ配信も実施(詳細は公式サイトにて)。