嵐を見守り続け20年、堤幸彦が語った5人が“国民的スター”であり続ける理由
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■ 堤幸彦が語る5人それぞれの魅力 エンドロールの“directed by 松本潤”に込めた思い
それだけのぼう大な映像を見て気づいた嵐の一面を聞くと、「5人は舞台上でイタズラっぽいことをちょこまかしますね(笑)。ジュニアの紹介コーナーで休んでいるシーンや、5人が腕を組んだり手と手で労り合っている様子だったり、2人と3人に別れた時の独特のコミュニケーションだったり。そういう『本当に仲いいんだな。こいつら、うらやましいな』って思わせるほほ笑ましい瞬間がいっぱいあって。そういうシーンは網羅できていると思います」と語る。
また、メンバーそれぞれについても「大野(智)くんのキレの良さは半端ないですね。東京ドームの広大な空間で見せたレーザーに合わせた動きなどすごくかっこよくて。相葉(雅紀)くんは本当に人柄が出ますよね。作品ではイケてない役が得意だからそういう目で見てしまいがちだけど、ステージに立つと全然違って、身長も高くてパフォーマンスが映えて本当にかっこいいんです。二宮(和也)くんの歌のシャウトは心に迫るものがあって。表現力が半端ない。(櫻井)翔くんはピアノをはじめ本当に器用。ステージに上がると、ニュースキャスターのイメージは吹き飛びますよね」と目を細めて明かす。
そして、嵐のコンサート演出を担う松本に関しては「演出力も光りますが、表現者としても閾(しきい)値を超えています。14歳の頃に知り合った少年がここまで立派に育ったのかと思うと、ほれぼれしますね」と絶賛。エンドロールで「directed by 松本潤」とクレジットしたのは堤監督の提案だが、「あの舞台を作り上げたことに対する最大の敬意です。僕も演出をする端くれとして、見どころをあんなにスピーディーに次々と見せていくショーを作り上げた演出家には、本当に尊敬の気持ちしかない。ジャニー(喜多川)さん以来の伝統でいろんな方々がいろんな舞台を作り上げてきましたが、『5×20』はデジタルの使い方も含めて現代の究極のショー。松本くんが勉強して寝泊りしながら作り上げたもので、僕はただ撮らせてもらっただけ。僕の名前なんていいし、『松本潤』の字はもっと大きくしても良かったとも思っています。恐るべし、松本潤ですね」と笑顔で語る。
■ 嵐を見守り続けて20年 国民的スターであり続ける理由は「変わらないこと」
嵐の5人を約20年間、見守り続けてきた堤監督が気づいたのは、彼らが「変わらないこと」だという。「仕事的にはみんな立派になって、司会やキャスター、映画やドラマの主役など、いろいろなことをこなしていますが、僕からすると彼らはすでに選ばれた人間だから何をやり遂げても当然。でもその中で変わらない少年っぽさ、人間味があるからこそ嵐で、それが伝わるから国民的スターなんです。鼻高々にならないところも本当にいい。125台のカメラ、最高の音響設備、日本の最高峰のステージセッティングの中、 彼らが“少年嵐”としてパフォーマンスを行っているからこそ、日本のエンターテイメントはまだまだいける気がしてきました。映画をとおしてそういうものが伝わればありがたいし、ファンの方もそういうところを望んでいると思います。すごく高みにいるけど、隣にいる人という温度感が伝わってほしいですね」と感慨深い様子で明かした。
「嵐は親戚のおいっ子が国民的スターになった感覚で、昔から知ってるけど、えらくなっちゃったなと(笑)。立派になったおいっ子たちに恥をかかせられないし、彼らのひのき舞台はきちんとやってあげたいという、本当に親戚のおっちゃんです」と笑う堤監督。堤監督の“嵐への愛”が詰まった本作は、嵐の人間味が凝縮した究極のショーを体感させてくれるはずだ。(取材・文:高山美穂 写真:高野広美)
映画『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』は11月26日より全国公開。