『青天を衝け』吉沢亮、91歳まで渋沢栄一に寄り添い「いまだに無我夢中」
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■刺激を受けた草なぎ剛との共演
――本作は栄一と慶喜の関係性も見どころですよね。2人の関係は終盤まで続きますが、1年半ほど演じて慶喜役の草なぎさんとの距離感は変化しましたか?
吉沢:意識的に距離を置こうと思ったわけでは全然ないのですが、基本的には撮影の合間に話すことはあまりなかったんです。栄一と慶喜の関係性に引っ張られているのかは分からないですが、やっぱり僕の中には草なぎさんに対する緊張感がありました。終盤になって2人で取材を受ける機会もありましたが、だいぶ緊張していました(笑)。でもその緊張感もほどよく芝居に乗っていたのかな、という気がして、それはそれでよかったと思っています。
2人で相談して作り上げるというよりかは、お互いから出るものをその場で拾ってキャッチボールして、みたいな空気感でした。特殊といえば特殊だったかもしれないです。
――草なぎさんとの共演でどのような刺激を受けましたか?
吉沢:草なぎさんのお芝居は、芝居の上でのプランみたいなものがまったくわからないんですよ。本当にその場に慶喜としているだけで、草なぎさんの存在が0になる。何を考えているかわからないから、お芝居をしていてすごく不安になるんです。
だからこそこっちも良い方向に引っ張ってもらえるし、草なぎさんとお芝居している瞬間でしか生まれない緊張感みたいなものがあって、役者として同じ仕事をしている人間としても「すごいな」と思うことばかりでした。刺激をたくさんいただきました。
――改めて、今後の見どころを教えてください。
吉沢:この先の慶喜とのシーンは泣けるシーンばかりです。2人の最後のシーンは、言ってしまえばこの作品のテーマを語っているシーンなのでグッときます。
栄一の立場や年齢感、置かれている状況はどんどん変わっていきますが、彼が最後まで落ち着くこともなく、ずっと何歳になっても情熱を持って、ときに空回りしながらやっていくというスタイルは最後まで変わりません。熱量は落ちず、最後まで勢いのある作品として突っ走れるのかなと感じています。普段生きていて常に触れているようなものが生まれる瞬間がどんどん描かれていったりするので、話は難しくなってもいくけれど、より親しみやすくなっていると思います。(取材:文:山田果奈映)
大河ドラマ『青天を衝け』は、NHK総合にて毎週日曜20時、BSプレミアム、BS4Kにて毎週日曜18時放送。