『青天を衝け』吉沢亮、91歳まで渋沢栄一に寄り添い「いまだに無我夢中」
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現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』で主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮。行動力があり「世の中の幸せ」を考えながら生きる栄一を演じる姿は眩しいほどに輝いている。2月から始まった本作もいよいよ12月26日の最終回に向けて佳境に。撮影期間も含め1年以上真摯に栄一の人生に向き合ってきた吉沢がラストスパートを目前にした現在の気持ちや、本作で得たもの、共演の草なぎ剛から受けた刺激などを語った。
【写真】気品と美しさあふれる吉沢亮
■約1年半栄一を演じて得たもの「積み上げてきたものがちゃんと形になっている」
――最終回が目前に迫っています。改めて今感じる大河ドラマのおもしろさや大変さを教えてください。
吉沢:大変な部分でいうと、栄一がめちゃくちゃおしゃべりな役というのもあるんですけど、一番はセリフ量です。とんでもないセリフ量を短期間で覚えて一気に消費して、ということを1年以上繰り返す。なかなか他の現場では味わえない苦労はありました。
でも「物理的に追い詰められながらもクオリティの良いものを出し続ける」という役者としての基礎みたいなものはすごく鍛えられた気がします。やっぱり純粋に約1年半かけてひとつの役をこの濃度で演じ続けたことで、役の染み込み具合や“何もしなくても栄一として立っていられる安心感”を感じます。自分が積み上げてきたものがちゃんと形になっているのを肌で感じるので、それはすごくうれしいです。
――クランクインのときは頭が真っ白だったとおっしゃっていましたが、最終回が迫る今、ご自身の中での変化や成長は感じていますか?
吉沢:いまだに無我夢中ではあります。余裕を感じている瞬間はそこまでないです。というのも、人も年齢もどんどん変わっていくから。根本は変わらないけど、栄一を演じる中で付け足すパーツが変わっていくんです。人との関わり方や、年齢感、声の質…いろいろやり方を変えながら栄一を演じています。やらなきゃいけないことは最後も変わらないから、結局無我夢中なんですよね、最後まで(笑)。
――ずっと初心を忘れずに?
吉沢:初心は忘れられないです。変化や成長は終わったあとに気づくんだろうなと思います。長ゼリフをしゃべることが多いので、そのリズム感など技術的な部分で身になってるな、と思う部分はいっぱいあります。