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梶裕貴、意外にも初めてオーディションでつかんだ吹替の大役「ひとつの夢が叶いました」

映画

◆「アニメアフレコ」と「洋画吹替」 似て非なるそれぞれの魅力

 アフレコと吹替、それぞれの仕事を数多く経験してきた梶。似ているようで別物でもある、それぞれの魅力、楽しさをどこに感じているのだろうか。

 「アニメアフレコの場合は、画に合わせる部分も当然ありつつ、声のボリュームや、クリアさ、言葉の粒立て方といったものは、基本的には声優に委ねられます。なので、お芝居をゼロから作れる楽しさがありますね。それから相手役の演技を受けて、自分でも想像していなかったような表現が、現場で生まれることもあります。そういった部分が面白いですかね」。


 対して吹替は「より専門的なスキルが必要になる」という。

 「まず、自分より先に演じてらっしゃる役者さんがいますよね。なので原音を聞きながら、その方の呼吸に合わせてしゃべらなくてはならないわけです。そのうえで、役者さんが表現されている言葉の波や動きを汲みとってお芝居をしていく。ただ、俳優さんの演技そのままの声量やニュアンスをそのまま日本語として音にすると、逆にミスマッチしてしまうこともあるんです。その物語に生きている登場人物を、どうすれば、日本人がより楽しんで受け入れられる形にできるのか…そういった部分も考えていかなければならないんです」。

◆「何が声優をつくる?」&「何が梶裕貴をつくった?」

 さて、『キングスマン』シリーズの印象的なキャッチコピーに、「マナーが紳士をつくる」がある。改めて、「何が声優をつくる」のか、尋ねてみると、「何が、声優を…。うーん…」とかなり悩みながら、次のような答えを出してくれた。

 「経験値と想像力、ですかね。アニメも吹替えもゲームも、すべてのジャンルに言えることですが…やはりイメージする力がなければ、人に伝えるため・届けるための表現はできないと思うんです。日常ではまずあり得ないような、不可能なシチュエーションを想像する力もそうですが…それ以上に、自分以外の人の気持ち、他人の思考を想像する力も大事です。ドラマって、人と人との気持ち、そのやりとりから生まれるものだと思うので。


 そして、経験値。これは声優としての経験値というより、人間として、自分自身が生きてきたなかで積み重ねてきた経験の数です。自分が今まで感じてきたことを、さまざまな形で、何倍にも膨らませて表現する。他人の気持ちを想像するには、自分自身の人間としての経験値が必要になってくると思うんです」。

 最後に、では「何が梶裕貴をつくった?」とさらに突っ込んでみた。

 「中学生の頃に声優になりたいと思い、目指しはじめ、そこから20年以上。気持ちはずっと変わりません。だから、僕のほとんどは『声優になりたい、声優をやりたい』という気持ちでできています。常に、もっとうまい声の役者になるためにはどうしたらいいのか、それを考えています。だからもう『梶裕貴は声優でできている』と言ってもいいかもしれません(笑)」と、そうほほ笑む梶。強い思いで、これからもさまざまな世界へと観る者を引き込んでくれるだろう。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)

 映画『キングスマン:ファースト・エージェント』は全国公開中。

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