望海風斗、宝塚退団後“自分でいる時間”に戸惑いも “舞台で歌うことが好き”と改めて実感
――4月に宝塚を退団されて、すぐに『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』でまさかのトート閣下として降臨。その後、コンサートツアー『SPERO』があり、早霧せいなさんのコンサートへのゲスト出演と、あっという間に駆け抜けられた印象があります。
望海:本当に8ヵ月しか経ってないんだっていう感じもあります。でも、自分の中では宝塚にいた時よりもものすごく時間にゆとりがあるというか、自分自身と向き合う時間があったのですごく充実していました。慌ただしく過ぎて行ったという感じはまったくなくて、1個1個いろんな発見をさせてもらって充実した1年だったなと思います。
――プライベートも含めて毎日充実されている感じですね。
望海:宝塚の時はオンとオフの切り替えがなかったんだなって辞めてから気付かされましたね。男役であるということが、常にありました。自分自身でいる時間って何したらいいんだろう?ということを悩むことってないよねって(笑)。自分でいる時間何しよう? 今この時間余ってるけどどうしたらいいんだろう?みたいなこともあるんです。
退団後に英会話を始めたんです! ずっとやりたかったんですが、オンラインでやることに抵抗があったんですよね。やっぱり面と向かってちゃんと教えてもらいたいですし、じゃないと身に付かないかなと思ったりして。でも、コロナもありますしそうこう言ってられないな、まずはオンラインで初めてみよう!と踏み出しました。
――インスタグラムも始められましたね。
望海:全然使いこなせてないんですけど(苦笑)。今までは宝塚の専門チャンネルがあったり、専門雑誌があったりしたので、ファンの方の目に触れる機会が意外とあったんですよね。それがなくなって、自分から発信できることがなくなってしまうのがさみしくって。
――インスタで書かれていた、早霧さんからプレゼントされた稽古着も活躍中ですか?
望海:割れてない稽古着ですね(笑)。活躍してましたけど、今はニーパッドを着けていっぱい動き回るお稽古になったので、大事にしまってあります(笑)。
――2022年は、この作品(日生劇場)に始まり、『next to normal』(シアタークリエ)、『ガイズ&ドールズ』(帝国劇場)と出演作が続々。日比谷の劇場完全制覇でいろいろな望海さんに出会えることが楽しみです。
望海:いろいろな出会いがあると思うので、1個1個を大切にするような1年、視野を広げるような1年にしたいと思っています。歌もずっと勉強していきたいという思いがありますね。
こういう状況になって、劇場に来てくださいってあまり軽く言えなくなってしまったけど、やっぱりマスクしててもお顔が見えて、拍手とかいろんな思いを返してくれる空間というのは貴重であり、必要不可欠な空間だなって感じています。今までの状況がどれだけありがたかったんだろうって気付かせてももらいました。
私は、人に向かって、対“ひと”で何かをすることがすごく好きなんです。舞台で歌うことが一番自分にとって好きなことなんだろうなと改めて実感していますし、来年はミュージカルにもたくさん出させていただくので、すごく楽しみにしています。(取材・文:編集部 写真:高野広美)
ミュージカル『INTO THE WOODS ‐イントゥ・ザ・ウッズ‐』は、東京・日生劇場にて2022年1月11~31日、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて同年2月6~13日上演。