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古川琴音、デビューから4年 “深いところを動かせる役者に”――あふれ続ける表現欲

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ターニングポイントになった『偶然と想像』濱口竜介監督との出会い

――古川さんの舞台出演は2019年の『世界は一人』以来2回目。初舞台で思い出に残っていることはありますか?

古川:もっと緊張するかと思っていたんですけど、すごく楽しんでやっていたことを覚えていてます。公演を重ねるにつれて、自由にリラックスしながらお芝居できるようになっていったなって感覚でした。

共演者の皆さんに刺激を頂いたり、いろんなことを教えてもらいましたね。私、しゃべり方が独特だって言われるんですけど、(初舞台の)最初のころはもっと顕著に出ていたというか…。共演の永山瑛太さんが、「もっと気持ちをナチュラルに乗せながら言えるようになるといいね」「最近できるようになったね」と舞台袖で細かいところを見てくださったり。松たか子さんの歌声も、なんであんなにすごいんだろうって、言葉を失って! きれいなだけじゃなくて、聴いてる人の体に響くものがあるなって間近で見させていただいて感じていました。


――2021年は充実した1年だったかと思いますが、現在置かれている状況は想像されていましたか?

古川: 20歳になった時はこの仕事をしているとも思ってなかったですし、予想外の展開じゃないですけど、こうやってこの仕事をしながら楽しく生活できていることはありがたいなって思っています。まだデビューして短い期間ですが、もっとお仕事を頑張っていきたいと思います。

――デビューから4年。ターニングポイントのような出会いはありましたか?

古川:『偶然と想像』に出演したことです。この作品に出会って演じ方が変わりました。本番に入るまでに1ヵ月間リハーサルがあったんですけど、そこで素読みってニュアンスを抜いて自分もセリフを言って、相手もセリフを言ってそれを聞くっていうのを繰り返しやったんです。そこで濱口竜介監督が、「相手のおなかの中に鈴が垂れ下がっていて、それを自分の声で揺らすようにセリフを言ってください」とおっしゃって。その鈴の揺れをもうちょっと大きく、もうちょっと小さくとか言われるんですけど、そうすると自分がセリフを言っている時に、自然と相手に集中できるんです。普段話している時って、自分の言葉に集中するんじゃなくて相手に集中するじゃないですか。それと近い状況に素読みを繰り返していくうちになっていって。そうすると相手がどんな反応をしたかキャッチしやすくなりました。相手に対して反応することができるようになったのはこの役に出会ってからですね。


――充実した毎日のようですが、オンとオフの切り替えはできていますか?

古川:オフが1日だけだと次の日の仕事のことが頭から離れないし、次の仕事の準備もたくさんあるので、なかなか切り替えられていないです(苦笑)。(そんな中、楽しみにしていることは)散歩です! 毎晩お風呂に入る前に散歩するんですけど、歩いてるだけで考えがまとまるというか、不安定だった気持ちもニュートラルになるので好きですね。

――演じることが楽しくて仕方がないという気持ちが伝わってきますが、これからどんな女優・古川琴音が見られそうでしょうか?

古川:これまでいろんな役に出会ってきたんですけど、もっと掘り下げていきたいというか…。ある種客観的に、物語の構造や自分の役割を理解して、もっといろんなことを計算しながら効果的に表現できるようになりたいです。今はまだ物語に入り込んで、役と自分の共通点になるところや、感情のフックになるところを見つけたり、自分や自分の経験に寄せて演じることが多くて…。もっと別人になりきるというか、深いところを動かせる役者になりたいです。

これからも作品を通して、見てくださる方々に自分の芝居がどういう影響を与えられるかちゃんと考えられる大人になりたいです。あとは、頭で考えることが多くなってきたんですけど、もっと自由になって、素直で余裕のある大人になりたいと思っています!(取材・文:編集部 写真:高野広美)

 ミュージカル『INTO THE WOODS ‐イントゥ・ザ・ウッズ‐』は、東京・日生劇場にて1月11~31日、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて2月6~13日上演。

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