古川琴音、デビューから4年 “深いところを動かせる役者に”――あふれ続ける表現欲
『コントが始まる』(日本テレビ系)では有村架純の妹役を好演、出演映画『偶然と想像』が、第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞するなど、躍進の1年を過ごした女優の古川琴音。2022年はミュージカル『INTO THE WOODS ‐イントゥ・ザ・ウッズ‐』出演という新たなチャレンジで幕を開ける。充実した稽古を送る古川に話を聞くと、女優業に対する熱い思いがあふれ出した。
【写真】古川琴音、キュートな笑顔!
オーディションを受けるにあたり防音の部屋に引っ越し
本作は、『赤ずきん』『シンデレラ』『ジャックと豆の木』『塔の上のラプンツェル』など、誰もが知る童話の登場人物たちが同時に存在する世界で、それぞれの有名なおとぎ話をなぞりながら、物語が交錯するミュージカル。クラシック音楽やオペラにも造詣が深い熊林弘高が演出を務める。原作は、先日惜しまれながら逝去したスティーヴン・ソンドハイムが作曲・作詞を手掛け、ジェームズ・ラパインが脚本を担当した1987年初演の同名ブロードウェイミュージカル。出演には、望海風斗、羽野晶紀、福士誠治ら個性と実力を兼ね備えたキャストが名を連ね、古川はオーディションを経て、シンデレラ役を勝ち取った。
――今回、ミュージカル初挑戦となりますが、お話を聞いた時の心境をお聞かせください。
古川:もともと『雨に唄えば』とか、映画でも好きな作品があったので、ミュージカルには漠然とした憧れがありました。中高大と演劇をやってきて、映像よりも舞台になじみがあると思っているので違和感はなく、挑戦の一環として自然の流れでした。
オーディションのお話を頂いて映像を拝見すると、すごくユーモラスだったんですよね。曲もマーチ調で楽しいんですけど、ストーリーをじっと凝らして見ると、教訓めいたものが多くて。なじみのあるシンデレラや童話のキャラクターが現実を語るっていうのがすごく皮肉で面白いなって思ったんです。個性の強いものになると思って、ぜひその世界観に入りたいなと思いました。
会話だけでのコミュニケーションを超えたものが音楽を通して伝わってくるのと、言葉だけじゃなく音楽に触れることによって見てる人の想像力が膨らむのがミュージカルの魅力。現実と現実を離れた世界のちょうど間というか、ファンタジーに寄りすぎもせず、ファンタジーの世界を実感を持って旅できるというか、そういう力を持つのがミュージカルだと思っています。
――オーディションを受けられるにあたって、防音設備の整ったお部屋に引っ越しされたとか。
古川:そうなんです。オーディションのお話を頂けるのもありがたい機会だと思ったので、自分がまずできることをすべて悔いなく挑戦したうえで、オーディションに臨みたかったんです。お話を聞いたその日に物件を探し始めました(笑)。