柄本佑、新境地のクセ者プロデューサー役を振り返る 吉岡里帆主演『ハケンアニメ!』
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女優の吉岡里帆が主演し、中村倫也、柄本佑、尾野真千子らが共演する映画『ハケンアニメ!』より、敏腕プロデューサー・行城理を演じる柄本のインタビューコメントが到着した。
【写真】映画『ハケンアニメ!』で新人監督・瞳(吉岡里帆)を翻弄する“鬼”プロデューサー・行城を演じる柄本佑
直木賞作家・辻村深月による同名小説(マガジンハウス)を実写化する本作は、世界が注目する日本のアニメ業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「覇権(ハケン)」を手にするべく奮闘する人々の姿を描くお仕事ムービー。監督は『水曜日が消えた』の吉野耕平が務め、吉岡、中村、柄本、尾野のほか、工藤阿須加、小野花梨、高野麻里佳、六角精児らが出演する。
ふだんは表に出ることのないアニメ制作の裏側や、そこに生まれるアツいドラマを描く本作で、「見てる人に魔法をかけるような作品」を作りたいと、異業種からの転職を遂げた斎藤瞳(吉岡)と共にアニメ業界の頂点「ハケン(覇権)」を目指すキーマンとなるのが、柄本演じる行城理だ。
スタイリッシュなスーツ姿で颯爽と現場へ登場し、“ツン”としたクールな面持ちで各所との調整事を推し進める行城は、瞳と同じ業界大手の「トウケイ動画」に属する敏腕プロデューサー。社運を賭けて挑む新作アニメ『サウンドバック 奏の石』(通称:『サバク』)の監督に新人の瞳を大抜てきし、あらゆる手を駆使してヒットさせようと尽力する。
『サバク』を手掛ける前にも、数々のヒットアニメを世に送り出してきた行城は、プロデューサーとして相当なやり手であり、手段を選ばないクセ者。どこか突き放したような物言いで忖度(そんたく)せずに本音を飛ばし続け、作品を世に届けるためには自分が悪者になることもいとわない。「ハケン(覇権)」を争う強大なライバルとなる『運命戦線リデルライト』の王子千晴監督(中村)やプロデューサーの有科香屋子(尾野)相手にも、笑顔で皮肉を飛ばす“鉄のハート”の持ち主だ。
柄本は今回演じた行城役について、「現場のスタッフから『事件は会議室で起きてるんじゃない!』と言われる側の人」と表現し、「いわゆる“外からものを言う”ポジションですが、そういうタイプの役はあまり経験がなかったですし、個人的にもアニメは好きなので演じるのが楽しみでした」と振り返る。
さらに、「(吉岡演じる)斎藤監督に対して、序盤ではかなり突き放す感じを思い描いていました。そのほうが、彼なりの想いがあって悪役に徹しているんだということが、後々わかったときに生きてくるなと。後半では斎藤監督を後押しするようなこともしますが、あれはもはや、監督のやりたいようにやらせたいという行城の我儘でもあるんです。ただ嫌なだけの奴ではないですし、わりといい奴じゃん、と思っています」と説明する。
また、本作のプロデューサーは「行城は一見ツンケンしているけれど、実は思いやりのあるところが、表からは見えづらい皮肉なキャラクター。でも抑えた演技でも豊かな感情が伝わる柄本佑さんだったら、その複雑さを上手く演じてくださるという確信がありました」と、今回の起用に絶大な期待を寄せていたことを明かしている。
クリエイターとしてのこだわりが強い瞳とはいざこざが絶えず、「売れなければあなたはここで終わり」と冷酷に言い放ち、彼女を宣伝活動の場に無理やり引っ張り回すなど“鬼”のような一面を持つ行城。しかし実は、彼がそんな手法を取るにはある明確な理由があって…。物語が進むにつれて次第に明らかになる、行城の素顔にも注目したい。
映画『ハケンアニメ!』は、5月20日より全国公開。