なぜ挑むんだ――男たちの生き様と向き合う『神々の山嶺』本予告 雪山の過酷さを捉えた新カットも
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第47回セザール賞アニメーション映画賞を受賞し、フランスで大ヒットを記録した日本原作のアニメ映画『神々の山嶺(いただき)』より、本予告と新場面写真が解禁。併せて、東野幸治、松本大洋ほか著名人から本作に寄せられた絶賛コメントも公開された。
【動画】圧倒的な没入感!『神々の山嶺』本予告
本作は、1998年に第11回柴田錬三郎賞を受賞した夢枕獏著の同名小説(集英社文庫/角川文庫)を原作としたアニメ映画。「登山家マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」という登山史上最大の謎の鍵を握る1台のカメラと孤高のクライマー・羽生丈二。そして、彼を追うカメラマン・深町誠が、初登頂の謎に迫りながら、前人未到の冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む姿を描く。
製作には、原作小説を漫画化し、第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門・優秀賞を受賞した谷口ジローさん(2017年に逝去)も参加。アニメ映画『ウルフウォーカー』の製作チームと共に7年の歳月をかけ、熱い人間ドラマと実写では再現不可能な命がけの登攀(とうはん)シーンを圧巻の映像で表現した。吹き替えキャストとして、堀内賢雄、大塚明夫、逢坂良太、今井麻美ら日本を代表する声優陣が出演する。
本予告は「高く、さらに高く、登り続ける。だが、なんのために?」というカメラマン・深町誠(cv:堀内)の問いかけから始まる。そして、孤高のクライマー・羽生丈二(cv:大塚)と深町が繰り広げる冒険ドラマが映し出されていく。「なぜ挑むんだ」と問いかける深町に、「一度山を覚えたら、取り憑かれる」と答える羽生。その言葉を証明するかのように、羽生は暴風、雪崩、雷が襲う過酷な状況の中、地上8848mにそびえ立つエベレストに果敢に挑んでいく。
壮大なスケールで描かれるエベレスト登山の描写は臨場感にあふれており、観る者をまるで羽生や深町と一緒にエベレスト登頂に挑んでいるかのような感覚へと誘う、圧巻の予告映像となっている。
場面写真は、深町が羽生の挑戦を記録しようとカメラで追う姿のほか、岩間を飛び越え、雪崩から必死に逃げる様子など、雪山の過酷さが伝わってくるシーンが切り取られている。
また今回、各界の著名人から本作に寄せられた絶賛コメントが到着。登山好きが高じてテレビやユーチューブで番組を持つ東野幸治からは「そこには山に取り憑かれた漢たちがしっかりと描かれていました! 皆さんも私と同じ選ばれし目撃者になりましょう!」とメッセージ。原作ファンだという漫画家の松本大洋は「獏さんと谷口さんという 大きな二つの頂きに挑んだスタッフの心意気を、ひしひしと感じました。エベレストと東京を描く色彩がとても美しく、クライマーたちは物悲しく格好良かった」と賛辞を贈る。
ゲームクリエイターの小島秀夫は「人は何故、山に登り続けるのか? 何故、物創りを続けるのか? 本作はその答えを暗示するだけでなく、映画界における挑戦でもある。フランス映画界のクリエーター達が“アニメーション”という新たな登攀ルートで、『神々の山嶺』という北壁の登頂に成功した!」。漫画家の石塚真一は「フランスでこんなにも愛されているのだなあ、と感じる圧倒の映像でした。孤高の美しさにグッときた。ありがとうフランス!!」と、フランスのクリエイター陣を絶賛。
漫画『孤独のグルメ』で谷口ジローさんとコラボレーションしていた漫画家・音楽家の久住昌之は「静かで、険しく、美しい。音楽の豊かさにも、嫉妬心さえ覚えました」。漫画家の坂本眞一は「小説によって言語化され、漫画によって可視化された8000メートル峰の凍りつくような死の恐怖を、アニメーションならではの手法で否が応にも『体感』させられてしまう映画」。フリーライター・マンガ批評家の夏目房之介は「圧倒的な雪山描写と淡々と刻まれる手や足の演出。私は飽きずに惹きこまれた。高所恐怖にも少しなったぞ」と、それぞれコメントを寄せている。
アニメ映画『神々の山嶺』は、7月8日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
著名人コメント全文は以下の通り。