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<ミュージカル『ジャニス』レポート>アイナ・ジ・エンドらの歌声、極上バンドサウンドで魅了

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ブロードウェイミュージカル『ジャニス』ゲネプロよりジャニス・ジョプリン役のアイナ・ジ・エンド
ブロードウェイミュージカル『ジャニス』ゲネプロよりジャニス・ジョプリン役のアイナ・ジ・エンド 撮影:興梠真穂

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 本日8月23日より開催される、アイナ・ジ・エンド主演のブロードウェイミュージカル『ジャニス』。ここでは22日に開催されたゲネプロをレポート。ジャニス・ジョプリンの人生を描いた波乱万丈のストーリーを豪華アーティスト陣が彩る。

【写真】ミュージカル初主演でジャニス・ジョプリンを演じるアイナ・ジ・エンド

 1967年に音楽シーンに登場し、唯一無二の歌声で米音楽史を塗り替えながら27歳で急逝したジャニス・ジョプリン。本作では、“亡くなる1週間前の一夜のコンサート”をコンセプトに、ジャニスの半生を舞台化した。

 ジャニス・ジョプリン役にはミュージカル初主演となる、BiSHのアイナ・ジ・エンドが挑戦。アレサ・フランクリン役にUA、ニーナ・シモン役に浦嶋りんこ、オデッタおよびベッシー・スミス役に藤原さくら、エタ・ジェイムス役に緑黄色社会の長屋晴子(Vo)が出演。UA、藤原、長屋はミュージカル初出演。さらに全員が初共演となる。

 ストーリーは、ジャニス(アイナ・ジ・エンド)が自身の人生を語りながら「Summertime」「Piece of My Heart 〜心のカケラ〜」「Kozmic Blues」といった代表曲や、彼女の音楽に影響をアレサ・フランクリン(UA)をはじめとする60年代のブルースを織り交ぜながら展開される。

 60年代を代表するシンガーの座を手に入れるも、1970年に27歳で逝去し、半世紀以上が経った現在も世界中の音楽ファンを魅了しているジャニスの人生を追体験できる。彼女が音楽やアートに魅了された幼少期からはじまり、シンガーを志したきっかけ、スターダムを駆け上がった経緯なども盛り込まれ、彼女のキャリアに詳しくなくても十分に楽しめる構成だ。60年代の雰囲気を感じさせるキャストの衣装にも目を奪われる。

 舞台の中心を担っているのはもちろん、アイナ・ジ・エンド。BiSHのみならず、自身のソロ活動などシンガーとして高い評価を得ているアイナが、全身全霊でジャニスを熱演。見どころは多いが、特に魂をむき出しにした「Cry Baby」の歌唱には強く心を動かされた。それはまさに、愛と音楽を求めて続けたジャニスの姿そのものだ。

 ジャニスと自分との共通点についてアイナは、「人に言葉で伝えるのでなく、そのエネルギーを歌に持っていくみたいなところは(ジャニスとの)ちょっと共通点なのかなって思ったりしていますね。生きがいが歌、みたいな」とコメント。歌うことに人生を捧げたジャニスを演じることで彼女は、ボーカリスト/表現者としてさらなるステップアップを果たすことになりそうだ。

 また、“ソウルの女王”アレサ・フランクリンをゴージャズに体現したUA、ニーナ・シモンの迫力ある歌声を再現した浦嶋りんこをはじめ、藤原さくら、長屋晴子も、普段の音楽活動とは一味違うボーカルを披露。彼女たちのパフォーマンスを通し、50~60年代のブルース、ソウル、ロックンロールの素晴らしさを実感できるのも本作の魅力だ。

 総合プロデューサーをつとめる亀田誠治(B)を中心に、河村“カースケ”智康(Dr)、小倉博和(G)、名越由貴夫(G)、斎藤有太(Key)、山本拓夫(Sax)、西村浩二(Tp)、半田信英(Tb)というすご腕ミュージシャンたちによる生演奏も絶品。ジャニスの人生を描いた波乱万丈のストーリー、生々しいグルーヴを描き出すバンドサウンド、そしてキャスト陣のボーカルが化学反応こそが本作の真骨頂なのだと思う。

 日本を代表するトップアーティストとミュージシャンが、あふれんばかりの愛とリスペクトを込めながら、ジャニス・ジョプリンの音楽人生を描いたミュージカル『ジャニス』。貴重なステージを体感してほしい。(取材/森朋之)

 ブロードウェイミュージカル『ジャニス』は、東京国際フォーラム ホールAにて8月23・25・26日上演。

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