矢野顕子×木村文乃×深田晃司監督、映画『LOVE LIFE』スペシャル鼎談映像到着
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映画『LOVE LIFE』より、主題歌「LOVE LIFE」を1991年に発表した矢野顕子、主演の木村文乃、深田晃司監督によるスペシャル鼎談(ていだん)の映像が到着した。
【動画】映画『LOVE LIFE』矢野顕子・木村文乃・深田晃司監督スペシャル鼎談映像
深田監督の最新にして9本目の長編映画となる本作は、ミュージシャン・矢野顕子がニューヨーク移住後の1991年に発表したアルバム『LOVE LIFE』に収録された同名曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を構想期間18年の時を経て完成させた作品。なお、本作は「メ~テレ60周年記念作品」として位置づけられている。
先日、第79回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決定。これまで数々の海外映画祭に自作が出品されてきた深田監督にとって、ヴェネチアへの出品は初めてとなる。今年はイタリア現地時間の8月31日から9月10日まで行われ、深田監督、主演の木村も参加。受賞結果は9月10日に発表される予定だ。最高賞の金獅子賞の受賞となれば、1997年の北野武監督の『HANA‐BI』以来25年ぶりとなる。さらにヴェネチアに続いて、第47回トロント国際映画祭Contemporary World Cinema部門への正式出品も決定した。
このたび実現した矢野、木村、深田監督のスペシャル鼎談は、矢野が愛用するドイツのピアノメーカー「ベヒシュタイン」の国内サロン「ベヒシュタイン・セントラム 東京 ザール」にて実施。
鼎談で、主人公・妙子を演じた木村は「深田作品の一部になれただけでもありがたいと思っていますが、監督が矢野さんの曲を聴かれてからおよそ20年経ったお時間を、今、お2人の間に入って感じられるということに、とても高揚しています」と恐縮しきりの様子。本作撮影中に矢野の「LOVE LIFE」をずっと聴いていたそうで「朝、曲を聴くと、監督の意志が入った妙子を纏いながらお家を出られる感覚になれたので、よく聴いていました」と明かす。
一方、矢野は、自身の楽曲が映画になると聞いた時の心境を「自分の曲が世に出るときは、自分の手を離れていると思っている。だけど、曲をもとに映画が作れてしまうんだ?という驚きがありました。自分の曲を大切に思ってくださったことに感謝しました」と述懐。続けて「自分の曲の中に何か特定のシーンや風景が出てくることは、あまりない。でも映画を観てくださる方は『LOVE LIFE』を聴けば、この映画のシーンと直結する。行く先々で曲がいい経験をするんでしょうね」と語る。
それを受けて深田監督は「曲がいい経験をするって素敵な言葉ですね。映画の公開というのは、(自分が育てた)子どもが外に出ていくような感覚なんです。行く先々でいい友達に恵まれて、いい経験をして、いい育ち方をして欲しい。ヴェネチアで『LOVE LIFE』を響かせられることを楽しみにしています」とコメント。
また、貴重な機会ということで、ライブで歌う時の心構えや曲に込めた思いなど、木村と監督から矢野への質問も。
最後にメッセージを求められた3人。「まずは素敵な俳優さんの魅力を堪能いただきたい。そして『LOVE LIFE』という曲を聴いて欲しい…というよりは、自分がどれだけこの曲が好きかということを知ってほしい。いや、知らなくてもいいんですけど(笑)、自ずと感じてしまうと思います」と深田監督。
木村は「監督がどれだけ映画と曲に愛情を持って作られたかという過程があるので、“LOVE LIFE”とは何なのか?が、観た方の心に優しく沁みていくんじゃないかなと思います」と語る。矢野は「音楽の力と演技の力とものを作り上げる力、多くの人々の力の結集ですが、出来上がったものは、観た人それぞれがさまざまな風景や気持ちを持ち帰れるものになっている。大量生産の娯楽映画とは全く違うアプローチですよね」とコメント。そして、深田監督から矢野への「まずはヴェネチアで本作がどう受け取られるのか、ご報告します!」との力強い言葉で締めくくられた。
なお、本作主題歌が収録された同名アルバム『LOVE LIFE』は、9月7日に初となるアナログ盤で発売されることが決定している。
映画『LOVE LIFE』は、9月9日より全国公開。