東出昌大&入山法子共演『天上の花』特報解禁 監督&キャストコメントも到着
<コメント全文>
■東出昌大(三好達治役)
愛ゆえに男が女を殴る。そんな理屈は詭弁だと思っていた。しかし悪魔的な、本人にとっては純真無垢な愛に翻弄された時、人は変わってしまうのかも知れない深淵を覗き込む物語です。是非ご覧下さい。
■入山法子(萩原慶子役)
愛したり憎んだり許したり許せなかったり言葉にならない曖昧な人間の思いを、いつも、映画は受け入れてくれた。私は、いつか、こんな世界に飛び込みたかった。私を慶子にしてくれて、ありがとうございます。
■片嶋一貴監督
戦争は人を狂わせる。第二次世界大戦時、泥沼の戦争状態に突入した日本。時代をおおう閉塞感と不安と焦燥の中、主人公の詩人は戦意高揚詩で名を上げる。男は一人の美しい女を愛し、やがて激情のままに女に手を挙げ、泣きながら暴力を振るうようになる。その振り上げられた拳と悲しみの涙は、誰のものでもない。それは、今を生きるボクら自身の抑制のきかない衝動そのものだ。時代を超えて、誰もが加害者にも被害者にもなりえる。
詩に心魂を捧げ、女を愛し、日本という国家と自我を同化させて生き抜いて来た男は、戦後すべてを喪失する。女との離別。そして、残酷なまでの価値の崩壊。あらゆるものは、絶えず移り変わって行く。そんなままならない世の中に、ボクらは何を考え悩み、情熱をかけて、いったい何を守り、得体の知れない不条理と闘って行かなければならないのか? 不穏な空気が蔓延する世界に、そんなことを考えるきっかけの映画になればと心から願っている。