カンヌ騒然! 『アデル、ブルーは熱い色』アデル・エグザルコプロス主演『ファイブ・デビルズ』、予告&ビジュアル解禁
『アデル、ブルーは熱い色』の女優アデル・エグザルコプロスが主演を務める、映画『パリ13区』の脚本を手がけた新鋭レア・ミシウス監督最新作『ファイブ・デビルズ』より、予告編と日本版ビジュアルが解禁された。
【動画】“香り”の能力で母の記憶に飛び込むタイムリープ・スリラー 『ファイブ・デビルズ』予告編
アルノー・デプレシャン監督の『イスマエルの亡霊たち』、ジャック・オディアール監督の『パリ13区』、クレール・ドゥニ監督の『Stars at Noon(英題)』など、フランスの巨匠監督たちの脚本を手掛けてきたミシウスが、初監督作『アヴァ』に続いて監督長編2作目に選んだ題材は、香りの能力でタイムリープする少女とその家族の物語。第75回カンヌ国際映画祭監督週間においてクィア・パルムに選出された。
嗅覚に不思議な力をもつ少女はこっそり母の香りを集めている。そんな彼女の前に突然、謎の叔母が現れたことをきっかけに彼女のさらなる香りの能力が目覚め、自分が生まれる前の、母と叔母の封じられた記憶にタイムリープしていく。やがてそれは、家族の運命を変える予期せぬ結末へと向かっていく―。
主演は『アデル、ブルーは熱い色』で世界を魅了したアデル・エグザルコプロス。能力者の娘をもち、自身もある秘密を抱える母親役を熱演した。また、<ファイブ・デビルズ>という架空の村を舞台に35mmフィルムで描いた本作は、『ツイン・ピークス』『シャイニング』『アス』に影響を受けたというミシウス監督の言葉通り、それらをほうふつとさせる美しさと恐ろしさ、どこか懐かしさを持つ。随所にオマージュシーンも見受けられ、傑作スリラー作品へのリスペクトも見どころだ。
予告編は、ファイブ・デビルズという閉鎖的な小さな村を映し出す美しい映像と、そんな風景とは対照的な不穏な音楽が流れる中、<香り>の能力をもつ少女とその家族のもとに、音信不通になっていた父の妹が訪れるところから始まる。歓迎されない妹の正体を探るべく、少女が香りを嗅いでタイムリープした先は、母と叔母の10年前の封じられた記憶だった。
その後は、「見えるの、小さな女の子が」という意味深なセリフや、「カンヌ騒然」(RFI)、「息を呑むほど美しい」(SoFilm)といったメディアが本作に寄せたコメントなどが挟み込まれる中、不可思議でドキリとさせられる映像がたたみかけるように映し出されていく。最後は、「ある村で起きた悲劇とは。燃えたぎる愛をめぐる、タイムリープ・スリラー」というナレーションに続き、「秘密の記憶が明かす衝撃の真実」というキーフレーズで締めくくられている。
日本版ビジュアルは、若かりし頃の母ジョアンヌ(アデル・エグザルコプロス)の、儚くも情熱的な記憶の一部を切り取ったもの。横には「悪魔が真実を嗅ぎつける」というコピーが添えられており、往年のスリラー作品を想起させる、美しくも緊張感が漂うビジュアルとなっている。
本作で脚本も務めたミシウス監督は、ジャンルが多岐にわたるこの物語が生まれたきっかけについて「脚本は、モザイクのかかった匂いに取り憑かれた女の子のアイデアから組み立てました。それは私の個人的な興味に起因しています。私は幼い頃から、香りを嗅ぎ分け、再現する訓練をしていました。しかし、それは香水業界に入りたいからではなく、もっと素朴なもの、もっと純粋に産業とは関係ない感覚的なものを探していたのです」と、自身の幼少時代の経験が元になっていると明かしている。
映画『ファイブ・デビルズ』は、11月18日より全国公開。