“香り”の能力で母の封じられた記憶にタイムリープ 仏発スリラー『ファイブ・デビルズ』公開決定
映画『パリ13区』の脚本を手がけた新鋭レア・ミシウス監督の最新作『The Five Devils(英題)』が、邦題を『ファイブ・デビルズ』として、11月18日より全国公開されることが決定。併せて場面写真が解禁された。
【写真】『ファイブ・デビルズ』怪しげな場面写真
アルノー・デプレシャン監督の『イスマエルの亡霊たち』、ジャック・オディアール監督の『パリ13区』、クレール・ドゥニ監督の『Stars at Noon(英題)』など、フランスの巨匠監督たちの脚本を手掛けてきたミシウスが、初監督作『アヴァ』に続いて監督長編2作目に選んだ題材は、香りの能力でタイムリープする少女とその家族の物語。
嗅覚に不思議な力をもつ少女はこっそり母の香りを集めている。そんな彼女の前に突然、謎の叔母が現れたことをきっかけに彼女のさらなる香りの能力が目覚め、自分が生まれる前の、母と叔母の封じられた記憶にタイムリープしていく。やがてそれは、家族の運命を変える予期せぬ結末へと向かっていく―。
本作は、第75回カンヌ国際映画祭監督週間においてクィア・パルムに選出された。主演は『アデル、ブルーは熱い色』で世界を魅了したアデル・エグザルコプロス。能力者の娘をもち、自身もある秘密を抱える母親役を熱演した。そして、最注目すべきは、カンヌを沸かせたかつて無いストーリー展開。怪しげな家族ドラマはSFの世界へ突入し、やがて情熱的な愛の物語となる。また、<ファイブ・デビルズ>という架空の村を35mmフィルムで捉えた映像は、『ツイン・ピークス』『シャイニング』『アス』に影響を受けたというミシウスの言葉通り、それらをほうふつとさせる美しさと恐ろしさ、どこか懐かしさを持つ。随所にオマージュシーンも見受けられ、傑作スリラー作品へのリスペクトも見どころだ。
場面写真は、炎の前で不穏な表情を浮かべるアデル演じるジョアンヌと、個性的なヘアスタイルに眼鏡をかけた娘ヴィッキー。そして自宅の前で誰かをうれしそうに出迎える父ジミーとは対照的にどこか不安げなジョアンヌの2ショットと、香りの能力をもつ少女を取り巻く家族を写した、どこか怪しげな3枚が披露された。
映画『ファイブ・デビルズ』は、11月18日より全国公開。