タランティーノが“モリコーネ”愛を熱弁! 『モリコーネ 映画が恋した音楽家』本編映像到着
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本日1月13日公開の、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの葛藤と栄光に迫るドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』より、クエンティン・タランティーノ監督が、アカデミー賞授賞式の壇上でモリコーネ愛を熱弁する姿などを収めた本編映像が解禁された。
【動画】映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』本編映像 ~『ヘイトフル・エイト』編~
2020年7月に91歳で死去したエンニオ・モリコーネは、1961年以来、500作品以上という驚異的な数の映画とテレビ作品の音楽を手がけた。なかでも日本でも超ロングランヒットを記録、アカデミー賞外国語映画賞にも輝いた『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)をはじめ、ジュゼッペ・トルナトーレが監督するほぼすべての映画音楽を手掛けた。
本作は、そんな師弟関係とも呼べるふたりによる“最後のタッグ”であり、トルナトーレ監督だからこそ引き出せた音楽ドキュメンタリー。モリコーネ自らが自身の半生を回想し、かつては映画音楽の芸術的地位が低かったため、幾度もやめようとしたという衝撃の事実が明かされ、そしていかにして誇りを手にしたのかを、数多の傑作の名場面やワールドコンサートツアーの演奏と共にひも解いていく。さらに、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら70人以上の著名人のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされる。
6度にわたるアカデミー賞ノミネーションを経て、モリコーネに遂に初受賞をもたらしたクエンティン・タランティーノ監督作『ヘイトフル・エイト』(2015)。生粋の“マカロニウエスタン”、その音楽を手掛けた“モリコーネ”のファンとして知られるタランティーノ監督が、念願叶ってオリジナルで作曲を手掛けてもらった作品だ。
今回解禁されたのは、そんなタランティーノ監督が、アカデミー賞授賞式の壇上でモリコーネ愛を熱弁する姿などを収めた本編映像。「エンニオ・モリコーネは大好きな作曲家だ」「映画音楽、作曲家のレベルを超えている」「彼はモーツァルトであり、ベートーヴェンであり、シューベルトなのだ」と惜しみない賛辞を贈るタランティーノ監督と、その姿をレオナルド・ディカプリオやエディ・レッドメインなどスターたちが笑顔で見守る様子を捉えている。
映像にはそのほか、『ヘイトフル・エイト』の音楽にまつわる裏話も。作曲家のA・デ・ローザは「タランティーノは、(マカロニウエスタンの巨匠)セルジオ・レオーネ映画の大ファン。違う音楽を期待したはず」と語る。マカロニウエスタンといえば、その世界的ブームの引き金となった『荒野の用心棒』(1964)で“口笛”をフューチャーした楽曲、『続・夕陽のガンマン』(1966)では“コヨーテの遠吠え”に似せたテーマ曲など、それまでの映画音楽では見られなかったモリコーネによる斬新な作曲が特徴であり、タランティーノも当初それらと同様の音楽をイメージしていたはずだと言う。
しかし『ヘイトフル・エイト』でモリコーネは、周囲の予想に反してストラヴィンスキーの<詩篇交響曲>フーガの冒頭など、本物の交響曲であるクラシックを採用。その理由についてモリコーネは「同じ道は通りたくなかった」「ウエスタンに復讐する気分だった。つまり過去との決別だ」と説明。当時モリコーネを一躍有名にしながらも、その後長きに渡って彼につきまとっていた<エンターテイメントの作曲家>というレッテルを自らはがし、タランティーノ監督からも「新たな地平が開けた」と評価を獲得した記念碑的作品でもあったことが明かされている。
映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』は公開中。