光石研、12年ぶりの映画単独主演 『逃げきれた夢』で坂井真紀、松重豊らと共演
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■光石研(末永周平役)
自分自身の故郷で、ほぼ等身大の自分自身を演じる。ここまでボーダレスな役は初めてだったので、不安と戸惑いを持って、やっていました。
ただ、二ノ宮監督を初めスタッフの皆さんが、僕ら世代が抱える諸々の憂いを、しっかりリサーチし、ビジョンを持って導いて頂いたので、信じてついて行きました。可笑しくも哀しい老年期に差し掛かった男を、失笑してやってください。
■吉本実憂(平賀南役)
脚本を読ませて頂いて、決して何か大きなハプニングがあるわけではなく、誰しもが通るであろう日常の感情なのですが最後には涙が出ていました。
些細なことでも“今”が点で繋がりあって線になって1人の人生を作り上げているということを私はこの作品を通して学びました。“今”という瞬間の大切さを感じられる作品なのではないかなと思います。
■工藤遥(末永由真役)
二ノ宮監督の真っ直ぐな曇りのない目に「誤魔化せないな」と震え、光石さんの凄まじい包容力に身を委ね、貴重な時間を北九州市で過ごさせて頂きました。
台本を読んだ後、演じている時、完成した映画を見た後、置かれている状況によってここまで受け取り方が変わるのかと、落ち着かなかった記憶があります。沢山の方に届きますように。
■坂井真紀(末永彰子役)
脚本を読ませていただいた時、行間から人生の吐息が聞こえてくるようだと感じました。その吐息は、光石さん演じる周平が背負う哀愁となって、その哀愁は、様々な形に映り、私たちが分かち合えるものであると思いました。分かち合えることは、そっと、私たちの背中を押してくれることと、思っています。北九州の空気を纏い佇む光石さん、最高です。
■松重豊(石田啓司役)
小倉の撮影現場の控え室の隣にカフェがあり、空き時間にふたりで行ったらチーズケーキが非常に美味かったんです。それを全女性スタッフに持ち帰って振る舞う光石さん。
その控え室の向かいが古着屋で、覗くと店主が光石研コーデを準備して待っていたんです。さんざん試着して何も買わずに店をあとにする光石さん。
そんな光石さんのすべてが詰まった映画ですよ、きっと。
■二ノ宮隆太郎(監督・脚本)
映画の世界を志してから、好きな俳優という質問に、必ず光石研さんと答えていました。ものすごく人間だから、光石研さんが好きだと答えていました。
この映画は、ある人間の今までの人生と、これからの人生の物語です。観てくださった方の心に、ほんの少しでも、なにかを感じていただけましたら幸いです。