優香がシングルマザー役で主演 直木賞作家・中島京子の小説『やさしい猫』をドラマ化、6月放送開始
優香が主演するドラマ『やさしい猫』が、NHK総合にて6月24日より毎週土曜22時に放送されることが決まった。
【写真】ドラマ『やさしい猫』キャスト陣
直木賞作家・中島京子の小説を映像化する本作は、外国人と結婚した主人公が、夫の母国への強制送還の取り消しを求めて国と争う姿を描く。主人公ミユキを優香、ミユキの娘マヤを伊東蒼、ミユキと結婚するスリランカ人のクマラをオミラ・シャクティ、ミユキの母マツコを余貴美子、人権派弁護士の恵耕一郎を滝藤賢一がそれぞれ演じる。脚本は矢島弘一。
シングルマザーで保育士のミユキ(優香)は、震災ボランティアで訪れた東北で、スリランカ人のクマラ(オミラ・シャクティ)と出会う。1年後、運命的な再会を果たした2人は次第に引かれ合っていく。真っすぐでチャーミングなクマラは、ミユキの娘マヤ(伊東)ともすぐに仲良くなり、やがて3人は家族のように一緒に暮らし始める。ミユキとクマラは結婚の約束を交わすが、それはつかの間の幸せだった。
婚姻届を提出し正式に夫婦となった直後、クマラは警察の職務質問を受けて入管施設に収容され、オーバーステイを理由に母国への強制送還を命じられる。口頭審理では偽装結婚ではないかと疑われ、絶望するクマラとミユキ。入管での面会はアクリル板ごしに30分のみ。理不尽な対応への怒りと、助けられない悔しさにミユキとマヤは打ちひしがれるが、わずかな望みを託して弁護士・恵耕一郎(滝藤賢一)を訪ねる。クマラを助けるためには、裁判を起こして裁決取り消しを勝ち取り、在留特別許可を得るしかない。ただ家族3人で暮らしたいだけ…ささやかな願いを胸に秘め、国を相手どった戦いに挑んでいく。
主演の優香は「ニュースでは見ていた入管の事を、この作品を読むまで、深くは知りませんでした。好きな人と家族になって幸せに暮らしたいと思うミユキさんも、初めて知る入管という存在に翻弄されていきますが、家族が周りの人に助けてもらいながら絆を深めていく姿が切なくもあり、温かいです。ご一緒させて頂く共演者の素敵な方々、真面目でチャーミングでダンスがお上手なオミラさんと共に、見てくださる皆さんに少しでも何か感じて頂けるよう、努めてまいります」とコメント。
原作者の中島は「いま、日本で暮らしている在留外国人の数は、およそ300万人。広島県民ぜんぶよりも多い数だとか。しかも、190以上の国と地域から来ているんだそうです。わたしが子どものころとは、時代が変わったんだなあと感じます。『やさしい猫』では、そういう時代の家族について、描いてみたかったんです」と明かす。そして、「シングルマザーのミユキさんが、スリランカから来た青年のクマラさんと恋をして、娘のマヤちゃんと三人で小さな家族を作ります。その小さな家族に何が起こったか。多くの人に知ってほしいと思って小説を書きました。この物語が、今回、ドラマという形で、さらにさらに、多くの方のもとに届くことが、とてもうれしいです。わたしも放送が始まるのを、ドキドキしながら待っています」としている。
土曜ドラマ『やさしい猫』は、NHK総合にて6月24日より毎週土曜22時放送(全5話)。