福島第一原発事故に迫る極限のドラマ『THE DAYS』 竹野内豊演じる当直長の葛藤描く本編映像
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役所広司主演のNetflixシリーズ『THE DAYS』より、東京電力福島第一原発の最悪の事故に直面し、決死の任務“ベント”へと向かう運転員たちを見送る当直長(竹野内豊)の葛藤を描く本編映像が解禁された。
【動画】当直長(竹野内豊)の葛藤を映し出す『THE DAYS』本編映像
全8話からなる本作は、福島第一原発事故を入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から克明にとらえた重層的なドラマ。「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、そして原発所内で事故に相対する者たち、それぞれの視点から描いた実話に基づく物語だ。企画・脚本・プロデュースは増本淳。「コード・ブルー」シリーズの監督として増本と長年タッグを組んできた西浦正記と、「リング」シリーズの中田秀夫がダブル監督を務める。
解禁された本編映像は、役所広司が演じる事故対応のリーダー・吉田所長が、赤電話のホットラインで結ばれた、竹野内豊演じる中央制御室の当直長・前島に決死のベントを指示するシーン。
大津波の直撃を受けた福島第一原子力発電所は、全電源喪失という前例のない事態に陥った。冷却機能を失った原子炉では核燃料が露出し、原子炉格納容器の圧力が上昇を続ける。このままでは格納容器が爆発すると判断した東電は、内部のガスを大気中に放出すると決定する。だが、電源を失った今、中央制御室から弁を開けることはかなわない。つまり、ベントを決行するには運転員の誰かが真っ暗な建屋内に入り、手動で弁を開けなければならないのだ。
吉田所長は、意を決した重々しい声で「ベントを開始してくれ」と伝える。真っ暗な中央制御室で指示を受けた当直長の前島は、「分かりました」と苦渋の表情で受話器を置く。黙々とベントの準備を進める運転員たちを見つめて「第一班お願いします」と伝える。前島とアイコンタクトしたベテラン運転員の古谷(小林薫)と大杉(六平直政)は、「はい」と応じ、危険な任務への準備を続ける。防護マスクに酸素ボンベをつなぎ、ヘルメットに装着したヘッドランプがともされる。
スローで捉えられた映像に、静かでありながらも痛切な音楽が重なる。規定値を超える放射線量が予想される原子炉建屋に向かう2人を見守ることしかできない前島は、運転員たちに過剰な負担をかけてしまったことに葛藤し、自分自身への無力感をにじませる。竹野内豊がリアリティーあふれる演技で前島を体現、その表情を懐中電灯だけで捉えた映像は、中央制御室のドアが閉じられる場面までとなっている。
Netflixシリーズ『THE DAYS』は、Netflixにて配信中。