将棋「王座戦」で注目の“形勢判断” 藤井竜王・名人の「AIを超えた一手」とは
お笑いコンビ・ぺこぱの松陰寺太勇がMCを務める『ABEMA Prime』(ABEMA NEWSチャンネル)が18日に放送され、藤井聡太竜王・名人が八冠を達成した対局で注目を浴びた「AIによる形勢判断」に着目した。
【写真】運命の“123手目”まで図解
「ABEMA」の将棋チャンネルでは、「SHOGI AI powered by ABEMA」というオリジナルのAIシステムを用いてイチ早く対局の形勢をパーセンテージの勝率で表示し、グラフに即座に反映することにより、初めて対局を観た方でも分かりやすく、スポーツを見るかのような臨場感のある視聴環境で人気を博している。
「第71期王座戦五番勝負」第4局では、勝率99%だった永瀬拓也王座が、ミスとされる一手を指したことでAI評価値が逆転、藤井竜王・名人の勝率を91%と示しました。このAIの想定を覆した一幕に「藤井聡太はAIを超えた」と大きな話題を呼んだ。
番組では、藤井竜王・名人が活用している将棋AI「水匠」開発者の杉村達也さんが出演、この対局における“スゴさ”を解説した。杉村さんは「終盤の藤井竜王・名人の“勝率1%”という数字は、正直に言うと“おまけ”の判断。もし対局相手が将棋AIだったら、100%負けていた局面だった」とした上で、「藤井竜王・名人は、AIが示す候補以外の一手を指したため勝率1%になったが、そのリスクを負った上で、永瀬王座のミスを誘えば一発逆転できる手を選んだ。その戦略通り、永瀬王座は持ち時間がない中で追い詰められてしまい、結果としてミスが生じた」と振り返った。
番組MCを務めるお笑いコンビ・ぺこぱの松陰寺太勇は「AIが分析ミスをしたのでは?」と質問。杉村さんは「AIが間違えたわけではない。AIは棋士が判断を間違えないことを前提にプログラムされているので、“相手のミスを誘う”という戦略はしない。そういった意味では、今回の藤井竜王・名人が勝負を決めた一手は、“AIを超えた”と言える」と話した。
この話を受けて、進行を務めるテレビ朝日の平石直之アナウンサーは「藤井竜王・名人は、人間同士の対局だけで使える戦略を取ったわけですね」とコメントした。
また、AIの進歩について、松陰寺は「ChatGPTに『コントを書いてください』と指示したら、鼻で笑ってしまうくらいつまらないものだった。進歩に期待しているけど、クリエイティブな部分はまだ追いついていないと感じた」と話した。
その一方で、「つい最近、AIタレントがCM出演するニュースがあった。僕はそれを見て、初めてヤバイと思ったんです。自分への危機が迫っているようで、『仕事がなくなるかも?』と怖くなった」とこぼしていた。
『ABEMA Prime』はABEMAにて毎週月曜から金曜21時放送。