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吉田修一原作『愛に乱暴』が江口のりこ主演で映画化 2024年8月公開

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映画『愛に乱暴』キャストビジュアル(左より)風吹ジュン、馬場ふみか、江口のりこ、小泉孝太郎
映画『愛に乱暴』キャストビジュアル(左より)風吹ジュン、馬場ふみか、江口のりこ、小泉孝太郎(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024 「愛に乱暴」製作委員会

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小泉孝太郎

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 吉田修一の小説『愛に乱暴』が江口のりこ主演、森ガキ侑大監督で映画化され、8月に全国公開されることが決まった。

【写真】吉田修一の傑作小説『愛に乱暴』書影

 本作は、愛のエゴと献身、孤独と欲望の果ての暴走を描くヒューマンサスペンス。

 夫の真守と共に、真守の実家の敷地内に建つ離れで暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや、夫の無関心を振り払うように、せっけん教室の講師や、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」にいそしみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、匿名の人物がつづる不気味な不倫アカウント、そして夫からの青天のへきれきの申し出など、桃子の平穏な日常は少しずつ乱れ始める-。

 原作者の吉田は、愛のいびつな衝動と暴走を力強い筆致で描いた。吉田は撮影現場を訪れたことについて「夏の長い宵の中、誰もが美しかった。今この場所で一つの奇跡が生まれようとしているのが分かった」とコメントしている。

 監督・共同脚本を務める森ガキ侑大は「この原作を読んだ時に『今』映画化する意味があると強く感じた」とコメント。監督は、物語に隠されたある仕掛けから、映像化は難しいと思われた原作小説を繊細にアレンジ、フィルムを使って主人公の背後に吸い付くようなカメラワークで撮影、息もつかせぬ緊迫感に包まれたサスペンス映画に仕上げた。

 主人公の初瀬桃子を演じる江口のりこは、手に入れたはずだった平穏な日常が少しづつ不穏な空気を帯び乱れていく桃子を、振り切った怪演で見せる。原作ファンだと語る江口は「(原作小説が)面白過ぎて、映画化するハードルの高さにモヤモヤしていました。しかし撮影現場で、監督の映画作りの情熱や、共演者の方々のお芝居に引っ張られ、森ガキ組の映画としての『愛に乱暴』を作ればいい! と吹っ切れ、真夏の暑さと共に夢中で撮影しました」と本作にかける思いをコメントしている。

 共演は、桃子を空気のように扱う夫・真守役に小泉孝太郎。今までの“陽”や“清潔”といったパブリックイメージと真逆の、陰りのあるアプローチを見せている。「実は僕が乱暴な男なのか、奥さんの桃子が乱暴な女性なのか、観て下さった皆さんが『愛に乱暴』というタイトルの意味をどうとらえるのかとても興味があります」とコメント。

 また夫に先立たれ息子への関心が高まる真守の母・照子役には「脚本と出会い、読むとサスペンスチックに心掻き立てられる脚本で、どんな映像になるのかが、私が唆(そそ)られた部分でした」と語る風吹ジュン。

 真守の不倫相手・奈央役には馬場ふみかがふんし、「今まで味わったことのない鋭い緊張感で指先が悴(かじか)み、撮影が終わった瞬間に肩の力が一気に抜ける感覚を覚えています」と撮影を振り返っている。

 映画『愛に乱暴』は8月全国公開。

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