エマ・ストーンだけじゃない! 『憐れみの3章』ヨルゴス・ランティモス監督の世界彩る実力者たち
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■『哀れなるものたち』以上の重要役に マーガレット・クアリー
マーガレット・クアリーは、Netflix映画『Death Note/デスノート』(17)のヒロイン役や、クエンティン・タランティーノ監督作の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で注目を集め、Netflixドラマ『メイドの手帖』(21)ではゴールデングローブ賞にノミネート。本作でも共演するジョー・アルウィンとともに主演を務めた『Stars at Noon(原題)』(22・日本未公開)はカンヌ国際映画祭グランプリ受賞と、目覚ましい活躍を見せる。『哀れなるものたち』ではストーン演じるベラ同様、<生まれたての女性>として蘇生されたフェリシティを演じた彼女は、本作で前作以上の重要な役に大抜てきされている。
クアリーは、第1章の中で、デフォーが演じるレイモンドの側にいるミステリアスな女性ヴィヴィアンを、第2章で、ストーンとプレモンスが演じる夫婦の友人マーサを演じているほか、第3章では、特殊能力を持つ可能性を秘めた、カルト集団が探し求める人物の、双子のルースとレベッカを演じている。3つのストーリーで3役を演じるだけでも至難の技だが、クアリーはまさかの4役を演じ分けたのだ。
そんな彼女に対しランティモス監督は、「私たちは何年も友人であり、次に何をやりたいか話し合っていて、この映画がその機会を与えてくれました。彼女は素晴らしい女優で、とても具体的なアプローチができます。」とその実力を絶賛。クアリー自身も、「この現場の雰囲気で珍しいことのひとつは、他の作品では自分の役が終わるとみな帰ってしまうものなのですが、この現場では全員が残っているのです。作品へのリスペクトがあり、みんなその場に残りたいのです。それがこの映画を他の映画とは違うものにしているのです」とランティモス監督が描く独創的世界に続けて出演できた喜びを明かしている。新星ながらも確かな演技力で賞賛を集めるクアリーの4役演じ分けは本作でしか観られない。
■『女王陛下のお気に入り』から再集結! ジョー・アルウィン
イギリスの名門校で演技を学んだジョー・アルウィンは、俳優デビュー作である『ビリー・リンの永遠の一日』(16)で主演に抜てき。クリステン・スチュワートやヴィン・ディーゼルといった名だたる俳優たちと並び見せた見事な演技が高い評価を得て、その2年後に、のちにアカデミー賞(R)受賞作となった『女王陛下のお気に入り』にストーン演じるアビゲイルの結婚相手となる政治家マシャム役として出演。同年にマーゴット・ロビー出演の『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』やブッカー賞受賞小説原作の『ベロニカとの記憶』といった話題作に立て続けに出演したことで、その年のカンヌ国際映画祭で前途有望な新進気鋭の若い俳優に贈られるショパール・トロフィーを受賞しその存在を世界に知らしめた。本作の出演はランティモス監督からの熱望で実現している。
『女王陛下のお気に入り』で「彼の作る世界は突拍子もないけどすばらしい」とランティモス監督を讃えたアルウィンは、再び監督ならではの世界観へ身を投じるにあたり、「脚本を読んで、彼の初期の作品に戻ったような感じがしました。より現代的な世界で、彼は現実と戯れているのです。それは現実であり、かつ現実でないのです」と、ランティモス監督だけが持つ独自の感性に触れる喜びを口にしている。
ランティモス監督が『女王陛下のお気に入り』とは対照的なキャラクターを与えたと語る役柄は、第1章でプレモンス演じるロバートの自宅に訪れる収集品鑑定人を、第2章では、プレモンスとママドゥ・アティエ演じる警官2名によって、とある事件に巻き込まれる青年・ジェリーを、第3章では、ストーン演じるエミリーの元夫・ジョセフの3役だ。映画界生え抜きの新星俳優がどのようにキャラクターを演じ切ったのか。ぜひその姿をスクリーンで確かめてほしい。
映画『憐れみの3章』は、9月27日より全国公開。
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