『ヒックとドラゴン』物語の核となる父子関係に迫る 「ドラゴンを殺せない」本心を明かす本編映像も

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9月5日より公開される、大ヒットアニメーションシリーズを初めて実写化した映画『ヒックとドラゴン』。物語の感情の核となるのは、主人公ヒック(メイソン・テムズ)とヒックの父ストイック(ジェラルド・バトラー)の父子関係だ。そんな関係性が垣間見える、憧れていた父との意見がすれ違い、ヒックが本心を明かす本編映像が解禁された。
【動画】父に本心を明かすヒック 『ヒックとドラゴン』本編映像
本作は、ドリームワークス・アニメーションが手掛け、全世界興行収入4億9万ドルを突破する大ヒットを記録したアニメーション映画『ヒックとドラゴン』(2010)を実写化。バイキングの少年ヒックと彼が出会ったドラゴンのトゥースの友情と大冒険を、最新のIMAXカメラで撮影されたリアリティ溢れる映像で没入感たっぷりに描く。日本に先駆けて公開された北米およびインターナショナルの週末興行収入ランキングで2週連続1位を記録し、現時点で全世界累計興行収入約6億2638万ドルを記録する大ヒットとなっている。
主人公ヒック(メイソン・テムズ)は族長の父親を持つバーク島の若きバイキングで、父ストイック(ジェラルド・バトラー)のように立派になりたいと願いながらも、ひ弱で何をしても失敗ばかりの少年。ドラゴンとの戦闘時には周囲に迷惑をかける一方で、発明好きで創意工夫に富み、ユーモアのセンスや観察眼、優しさを持ち合わせている。勇敢さこそが一人前の証であるバイキングの世界では認めらず、バーク島では変わり者と言われていた。
そんなヒックは、ドラゴンを敵視する社会の中、バイキングの新兵たちの前で自分の価値を示したいと思う反面、自分はこの場所にふさわしくないのではという疑問を拭えずにいた。父のストイックもまた、息子にどう接していいのか悩んでいる。
今回解禁された本編映像は、長年息子への接し方に悩んでいたストイックが、親友ゲップ(ニック・フロスト)に諭され、息子に信頼を預けようと決心し、ドラゴンと戦うトップ・スレイヤーになるために“炎の訓練”をしろと伝えようとするシーン。
ヒックが父にバレないようにこっそりと帰宅する場面から始まるが、それには理由があった。実はヒックはドラゴンの中で最も凶暴とされるナイト・フューリーを自前の武器で打ち落とすことに成功。これで父も一人前のバイキングと認めてくれるに違いないと思いながら森の中を捜索するも、負傷して弱っているナイト・フューリーを目の前にすると、とどめを刺すことが出来ず逃がしていたのだ。
そんなバイキングらしからぬ行為をしてしまったヒックは、ストイックに「話したいことがある」と切り出す。ストイックもまた「俺も話がある」と言うと、互いに「戦わない」「戦う訓練を」と、全く異なる意見をぶつけ合い動揺する。ドラゴンとひるまずに戦うことを長年夢見てきたヒックに対し、ストイックはドラゴンとの戦闘を許可するが、「戦士は大勢いるけど炊事係が少ないから…」と逃げ腰のヒック。
遠慮しているに違いないと思ったストイックは、「これを使え」と武器の斧を渡し「素直になれ」と言うが、ヒックは「僕は戦いたくない」「ドラゴンを殺せない」と断る。それでも一向に譲らないストイックに、ヒックは「本当だ。殺したくない」と本心を打ち明けるのだが――。
テムズは「ヒックは野心を持った子供なんだ。 彼はバイキングたちを見て『こんな風になりたい』 と思う。特に村のリーダーである父親の期待に応えなければと思っている。でもどんなに努力してもヒックは彼らのようにはなれない。自分は周りとは違うという事実をヒック自身が受け入れて初めて、彼の物語が動き出すんだ」とコメント。本作でヒックが本当の自分を見つける旅路が、物語の感情の核となっていることを明かした。
父親のように強くなりたいと願う一方で、バーク島の人間のようにドラゴンと戦うことに疑問を持つヒックの複雑な感情を掘り下げるため、ディーン・デュボア監督はテムズと密に連携を取りながら撮影を進めたそう。
テムズは当時を振り返り「ディーンと私は、すでに確立されたものをどう広げていくべきかということをよく話し合った。そのうちの一つはヒックの悲しみだった。ヒックは父親に自分のことを誇りに思ってもらいたい一心で努力するが、成果は出ない。彼はその辛さをユーモアで誤魔化そうとする。自分が未熟だという悲しみに向き合うより、冗談を言って自分自身を笑いものにする方が楽なんだ」と、ヒックの悲しみをユーモアで表現したと語る。
そんなテムズの演技について、プロデューサーのアダム・シーゲルは「メイソンは、ヒックという役に驚くほどの深みとユーモア、そしてリアリティを与えてくれた。衣装を着てドラゴンに乗ったり闘技場に足を踏み入れたりする時の彼は紛れもなくヒックなんだ。しかし彼はヒックの現代版とも言える。だから馴染みもあるがユニークな存在でもあるんだ」と称賛している。
映画『ヒックとドラゴン』は、9月5日より全国公開。