横浜流星、“盟友”藤井道人監督とだからこそ作り上げられた濃密な撮影空間 映画『正体』現場レポート
関連 :
映画『正体』メイキング写真 (C)2024 映画「正体」製作委員会
本作の企画が動き出したのは、4年ほど前のことだという。藤井監督は「今、本作を撮ることができて本当によかったなと思っています。流星とはお互いのことを知り尽くしている関係ですが、今の彼の最終形態に近いぐらいのものが撮れているのではないかと思っています。逃亡した死刑囚である鏑木が、見た目や人格を変えながらいろいろな人に出会っていく話なので、“横浜流星七変化”と言いますか、横浜流星のすべてを見られるような映画」と本作を分析しながら、「僕から見ても流星は、劇中の人間になりきる力や、その精度が圧倒的にすさまじいものになっている。本当に楽しく撮らせてもらっています。スタッフのみんながモニターを見ながら『横浜流星、すごい!』と言っているのを、僕は『知ってる、知ってる。でしょう?』と思っています」と横浜の成長と彼への賛辞がうれしくて仕方ないといった様子。
さらに藤井監督は「流星とは、脚本作りの段階から一緒にやっていける」と特別な存在だと明かしながら、「彼がどれだけ素晴らしいパフォーマンスをしてくれるかということも分かっています。お互いに妥協をしないタイプ」とにっこり。横浜と他の俳優では「演出方法が違う」と明かす。
「他の俳優さんの場合は、キャラクターの感情について話しながら演出をつけていきますが、流星とはもうその段階は終わっていて。今そちら側のショットは使わないから、間をこれだけずらしてほしいとか、画角や表現領域などテクニカルなことまで共有できる。そうやって進めていけるのは、僕にとって流星だけです」と言葉にせずとも共有できることがたくさんあるという。お昼休憩の合間に行われた藤井監督のインタビュー部屋にも、横浜が「よろしくお願いします!」と取材陣に挨拶に訪れて2人で笑顔を弾けさせるなど、そんな瞬間からも彼らが気の置けない間柄にあることがよく分かる。