横浜流星、“盟友”藤井道人監督とだからこそ作り上げられた濃密な撮影空間 映画『正体』現場レポート
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映画『正体』メイキング写真 (C)2024 映画「正体」製作委員会
逃避行の道のりで出会う人々の視点から、鏑木の“正体”が浮かび上がる。そういった群像劇としての面白さが、本作の鍵となっている。横浜以外のキャストが藤井組に俳優として出演するのは、今回が初めてのこと。「新しい俳優と出会いたいという欲望がある」という藤井監督だが、「映画人のなかでも緊張するのが、山田孝之さん」と苦笑いを浮かべる。
「僕がインディーズ時代に撮った『デイアンドナイト』で、プロデューサーを務めてくれていたのが山田さんです。僕はそこから公私共に、山田さんの背中を見させてもらってきて。ずっと彼の生き方、映画界の未来についての考え方などを吸収したいと思ってきました。そんな彼に初めて、役者としてオファーをしたのが本作です」と告白。「観客の方々は、又貫の目線になって鏑木の正体を追いかけていく。又貫役を誰にお願いしたいかと考えた時に、ダメ元で山田さんにオファーをしてみようと思いました。山田さんに又貫を演じてもらえて、僕としても一つ夢が叶ったよう」と感激しきりだ。
現場で山田を撮っていても「唯一無二で、圧倒的。みんなが山田さんを目標にする理由が分かる。それを目の前でまざまざと見せられたような気がしています」と彼のすごみを実感しているといい、「流星にとっても一番尊敬していて、いつかご一緒したいと話していたのが、山田さんなんです」と山田とのタッグは、藤井監督、そして横浜にとっても念願だったと話す。