“頂き女子りりちゃん”題材の映画制作決定 監督は小林勇貴、大森靖子流れる予告編も公開

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りりちゃんこと渡邊真⾐と頂き⼥⼦に関する事件を題材にした映画『頂き⼥⼦』が制作されることがオパルスから発表された。制作発表に併せ、大森靖子の楽曲「パーティードレス」が流れる予告編も公開されている。
【写真】りりちゃんこと渡邊真⾐による直筆コメント
本作は、歌舞伎町から日本中に広がった「頂き女子」りりちゃんこと渡邊真衣の事件を獄中の渡邊本人との数多の面会、手紙の交換によって行われた綿密な取材を基に、エピソードや演出、演技のディティールを再構成し映画化したナラティブ・フィクション作品。
プロデューサーは渡邊のために情状証人として出廷した、身元引受人である立花奈央子。新宿で15年間コンテンツ制作事業を営む中で逮捕前の渡邊と出会い、その生き方と言葉を作品にすることを二人の間で決めていたという。
主人公りりちゃん役は月街えい(LADYBABY) 。アイドルデビュー前から表現活動に勤しんでおり、ZINEで短歌や詩を発表。現在はXで手書き日記「口語自由日記」をアップするなど、優れた言語感覚を持っている。渡邊と表裏一体にもなり得るパーソナリティを見出され、初主演への抜てきとなった。
監督は『スカム』『ホームルーム』『酒癖 50』の小林勇貴。小林監督は2年ぶりの復帰作となる。目を背けたくなるような暴力を真正面から捉え続ける胆力と、現代日本の社会構造への強い問題意識を買っての依頼と立花は言うが、最初から直感だったとのこと。
頂き女子は今でこそ明確な詐欺だと広く知れ渡っているが、当時は新しい稼ぎ方として SNSと情報商材を中心に流行し、ホストバブル拡大の一端を担い、歌舞伎町のお金の流れを大きく変えたそう。自分の大切な存在に持てるものを注ぎ込む<推し活>と呼ばれる行為の連鎖が、ある業界のバブルを招き業態を歪めていくさまは、夜の街だけではなく、孤独に端を発した現代日本全体の縮図なのでは? という考えの下、本作は、日本のあちこちに息づいているものについて、映画を通して垣間見て、少しだけ理解のできるような作品を目指すという。
また、りりちゃんの映画化は、逮捕前から計画されていたが、事件により世間を大きく騒がせることとなった今こそ、商業資本ではなく歌舞伎町を知る当事者たちの手で映画化したいという思いも。獄中の本人とも対話を重ね、実際のエピソードやその時のリアルな心情をもとに、渦中の人間達の確かな視点で映像化する。
本作はスポンサー制ではなく、クラウドファンディングによって制作。11月中旬からMotion Galleryでクラウドファンディングを行う。「作品が商業主義により本質を歪められ、ありふれたエンタメとして消費されることはどうか避けたい」とし、クラウドファンディングを通して、歌舞伎町と、そこで生きる人々の純粋な姿をできる限り記録したいのだそうだ。今回の作品は収益活動を目的とするものではないが、利益が発生した場合はその一部を渡邊真衣支援プロジェクトの資金管理会社(合同会社いぬわん)に寄付し、弁済に充てられる。
公開された予告編は、大森靖子の楽曲「パーティードレス」が使用されている。大森は自身のXで「劇中歌、大森靖子『パーティードレス』使用されています。人生で5曲目に作った曲です」とコメント。加えて「はやくこんな歌要らない世の中になればいいと思います。」「勿論誰よりもこの曲を愛してます,ここまで運んでくれたから」「でもあの感情が消えたこと 1日もないです。」ともつづっている。
映画『頂き女子』は公開日未定。
⽴花奈央⼦(プロデューサー)、⼩林勇貴(監督)、⽉街えい(主演)、渡邊真⾐のコメント全文は以下の通り。