「この猿ほど怖いものはない」ジェームズ・ワンらが語る『THE MONKEY/ザ・モンキー』 物語の始まりを映す新カットも

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映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』で独創的なホラーを作り上げた経緯を、原作者のスティーヴン・キング、製作のジェームズ・ワン、監督・脚本のオズグッド・パーキンスがそれぞれ語るコメントが到着。さらに、物語の始まりとなる主人公の少年時代の場面写真も解禁された。
【写真】「この猿ほど怖いものはない」 おもちゃの猿
本作は、“ホラーの帝王”スティーヴン・キングの短編『猿とシンバル』を基に、「ソウ」シリーズや『M3GAN/ミーガン』など数々のヒット作を生み出してきたジェームズ・ワンがプロデュース、“ホラー映画の新たな巨匠”と言われ、日本でも高い評価を得た『ロングレッグス』のオズグッド・パーキンスが監督と脚本を務め映画化した、ファンキー・モンキー・ホラー。
父親がのこしたぜんまい仕掛けの謎の猿のおもちゃを双子の兄弟が見つけたことをきっかけに、周囲で“不慮の死”が相次いで起こり始める。猿がドラムをたたくと誰かが死ぬと気づいた兄弟はこれを葬ろうとするが…。
静かで不穏な空気の詩的なホラー作品が多かったパーキンス監督。本作では、兄弟の身近な人の死から始まり、25年の時を経てさらにその数は増え、まるで殺人カタログを見ているかのようなバリエーション豊かで突飛な殺りくが繰り広げられる。呪われた家族の苦難を血みどろの絶叫マシンのようなコミカルでポップな作品として創りあげた。
数多くのスティーヴン・キング作品が映像化されてきたが、キング本人が「狂気の沙汰だ」とコメントするほどこれまでにない独創的なホラーとなっている。
「映画化を始める前から、この猿のおもちゃには何かあると直感した」。そう語るパーキンス監督の新しい視点から生まれた脚色は、キング原作の『猿とシンバル』の大まかな骨格はそのままに、脚本家兼監督ならではのディテールを加えたものだった。
「もっとも大きな変更は、小説ではハルという人物が、映画ではビルという双子の兄弟を持ったことだ」という。監督自身の育った環境から、兄弟を映画の中心に据えたいと考えたからだった。
そして今回、自分の周りで不慮の死が続く中、その原因はおもちゃの猿にあるのではと疑い、おもちゃの猿をじっと見つめる双子の弟・ハルのカットや、ある悲しい出来事が、実はハルの行動によって引き寄せてしまった事実を知る兄・ビルのシーンなど、幼い兄弟の場面写真が解禁となった。
双子のハルとビルの両方を演じたのは、マーベル作品の『ヴェノム』や、ギレルモ・デル・トロ監督のNetflix作品『フランケンシュタイン』などに出演する若手俳優クリスチャン・コンヴェリー。内向的で繊細な少年ハルと奔放ないじめっこのビルを見事に演じ分けている。
本作の猿の存在について監督は、「チャッキー(『チャイルド・プレイ』)や『グレムリン』、『M3GAN ミーガン』とは違う。動かないキャラクターだから厄介だ。猿がドラムを叩くと周囲の人が死ぬということを理にかなったものにする必要があった」と語る。
また、本作でプロデューサーを務めたジェームズ・ワンは「本作に登場する、おもちゃの猿そのものが、この映画で最終的に何を表しているのか、私の想像力を掻き立てた」と映画化決定当時の心境について語った。
さらにホラージャンルに関して、原作者のS・キングは「(自身の手がけた作品でヒットした)『ショーシャンクの空に』や『スタンド・バイ・ミー』のように現実世界を舞台にした作品とは異なり、ホラー作品の成功は難しい。だがこの映画は、“猿が小さな棒を振り回した後太鼓を叩き、人々が死ぬ” 素晴らしいゴア描写はもちろん、オズ(パーキンス)ならではの撮影方法も楽しめ、たくさんの悪夢が詰まった、本当に不気味で面白い作品」と映画を賞賛している。
映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』は、9月19日より全国公開。