伝説のパペット・ミュージカル・アニメ『ニクスの怪物』、日本初公開へ! ビジュアル&キャラ写真解禁

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テリー・ギリアム、トム・ウェイツ、ザ・レジデンツが声優として参加した伝説のパペット・ミュージカル・アニメーション『ニクスの怪物』(2011)の日本初公開が決定。8月16日よりシアター・イメージフォーラムにて開催されるROSTO追悼上映企画<存在証明>にて追加上映される。併せて、メインビジュアルとキャラクター写真が解禁された。
【動画】ROSTO監督追悼上映 <存在証明> 予告編
本作は2019年に亡くなったオランダの鬼才ROSTOが5年の歳月をかけ、自身の持つ才能すべてを注ぎ込んで紡ぎあげた伝説のパペット・ミュージカル・アニメーション。舞台はのどかな村ニクス。ここでとんでもない事態が巻き起こり、少年ウィーリーは、すべてを食いつくす怪物に一人で立ち向かうことに…。
ROSTOと親交が深かった著名人たちが声優として参加。映画監督のテリー・ギリアムは、恐怖に陥って森の小屋に閉じ込められたレンジャー役。シンガーで俳優のトム・ウェイツは恐ろしい真っ黒なツバメ・バージルの声を演じている。作曲は「ミュージカルが大嫌い」とインタビューで語っていたROSTO自身が担当。演奏は大所帯で有名なメトロポール・オーケストラ。
ROSTO(1969-2019)は、最初の短編映画『(伝説の)アングロビリー・フィーバーソンの興亡』(2002)と『ジョナ/トムベリー』(2005年カンヌ国際映画祭Canal+グランプリ受賞)が、数々の権威ある国際映画祭で上映され、世界的な評価を獲得。これらの短編映画は、オンライング・ラフィックノベルから始まり、音楽、小説、そして映画へと展開した複合メディア・プロジェクト「MIND MY GAP」の一環だった。
こうした「MIND MY GAP」プロジェクト作品が2015年のリュブリャナ近代美術館を含むいくつかの国際映画祭で注目され、ROSTOの作品は、国際的な音楽アーティストの注目も集めた。 今回上映が決まった『ニクスの怪物』は、メトロポール・オーケストラ、トム・ウェイツ、テリー・ギリアム、ザ・レジデンツ、ザ・ドーらとコラボレーションした作品となっている。
ROSTOは並行して、かつて所属していたパンクバンド、THE WRECKERS(ジー・レッカーズ)をフィーチャーした4部作の音楽プロジェクト「ジー・レッカーズ」に着手し、シリーズ1作目『うちが一番』(2008)を発表、2作目『ロンリー・ボーンズ』(2013)はオタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞した。続く『スプリンタータイム』(2015)、『リランズ』(2018)で、「ジー・レッカーズ」4部作は完結。その後ROSTO監督は自身初の長編映画の開発に挑むが、2019年病気のため急逝。同4部作は彼の死後、フランスの制作・配給会社オトゥード・ミヌイット主催のミハエル・シュマーキンによって『四つの悪夢』としてまとめられ、ドキュメンタリーと合わせてヨーロッパ各国で上映された。
『ニクスの怪物』の主人公ウィーリーは、モンスターに連れ去られた祖母を探しに一人、魔法の森に向かう。そこで巻き起こる不思議な出来事に翻弄されながらも、真実に近づいていく。頭の大きい彼の姿はROSTOの造作の特徴の一つ。メインビジュアルには、そんなニクスが先の尖った爪のようなものに囲まれる姿が描かれている。
キャラクター写真には、ウィーリーのほか、レンジャー(声:テリー・ギリアム)やバージル(声:トム・ウェイツ)の姿も。レンジャーは超怖がりで森の中の小屋に引きこもっていたが、ウィーリーが訪ねてきたことで、心機一転、森の案内人をかって出る。モーション・キャプチャーはTHE WRECKERSのメンバー、W・FOLLYが演じている。バージルはどうみてもカラスだが、ツバメだと主張。ウィーリーに“卵”が大事な要素であることを教えてくれる。味方なのか敵なのかわからない、不気味な存在だ。
写真にはそのほか、トム・ベリー(カンヌで受賞した短編作の主人公)、ローリング・ヌーディスト(別名 ジャイアント)、シュナーツル(間違った教育を受けた魔法使い)といった、ROSTO監督による複合メディアプロジェクト「Mind My Gap」でお馴染みのキャラクターを多数収めている。
なおROSTOの追悼上映企画「存在証明」が、8月16日よりシアター・イメージフォーラムにて先行公開後、全国順次公開。遺作となった『四つの悪夢』(45分)とドキュメンタリー『すべてが変わったようで、何も変わっちゃいない』(20分)に加え、『ニクスの怪物』がラインナップに加わった合計95分の特集上映となっている。