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田辺桃子・仲村トオルが親子役『きみの音が見えたとき』来秋公開 “奇跡のバンド”を映画化

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<コメント全文>

■田辺桃子(七沢奈那役)

――出演を決めた理由をお聞かせください。

最初に脚本を読ませてもらった時に、奈那の不器用なところが、普段の自分とちょっと似てるなと思う部分があって。どうにか変わりたいけどなかなか一歩を踏み出せなかったり、偏った考えかたで自分の世界が狭くなってしまう瞬間ってあると思うんです。でも、それがパッと外れる瞬間がすごく素敵だなと思って。そういう描写がこの作品にはたくさん散りばめられていて、奈那を応援したいなと思いましたし、奈那と一緒に、自分自身もまだ知らない自分に出会ってみたいなっていう気持ちになりました。

――奈那という役について、どんな印象を持っていますか?

奈那はすごく難しい役だなとも感じています。人ってそんなに単純じゃないし、簡単に気持ちが切り替わるわけでもない。奈那自身も、自分のことを面倒くさいなって思っている部分があると思うんですけど、それでも諦めたくない、本音を貫きたいっていう気持ちを持っていて。
そういう複雑さがあるからこそ、すごく魅力的な子だなと思いました。

――作品を通して感じたことを教えてください。

私自身、普段からあまり年齢差を意識しないタイプなんですけど、どの年代の方とご一緒しても、新しく気づかされることが本当にたくさんあって。年齢ってただの数字なんだなって思う瞬間があるんですよね。この作品には、年齢とか立場を超えて、新しい人との出会いや、新しい考え方との出会いみたいなものがたくさん詰まっているなと思っています。

――福井での撮影についてはいかがですか?

福井は今回初めて行くので、今からすごく楽しみです。海鮮とか、自然とか、風が吹き抜けているイメージがあって。その中で奈那がどんな景色を見て生きているんだろうって、すごくワクワクしています。地方のスーパーに行くのも好きなので、福井の地元ならではの場所にも行ってみたいです。

――公開を楽しみにしている観客へメッセージをお願いします。

この作品は、年齢とか職業とか、住んでいる場所とか、そういうものを取っ払って、どなたでも共通して受け取ってもらえるメッセージがたくさん込められていると思います。音楽の縁や、人とのつながりを大切に描く作品になると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。

■仲村トオル(七沢倫太郎役)

――出演を決めた理由をお聞かせください。

一番大きな理由は、監督が今井さんということなんですけど。シナリオを読んで、思い出したことがあって。もう半世紀近く前なんですけど、僕が小学校5、6年生くらいの頃、近所に5歳くらい年下の自閉症の男の子がいたんです。最初の頃は本当にコミュニケーションが取れなくて、「おはよう」と言っても返事がなかったり、何か聞いてもよく分からない音が返ってくるような感じだったんですけど。

ある時、友達が話してくれたんです。「彼はバカじゃないよ」って。「ハンカチを落としたから拾ってあげると、また目の前に落すので、それを拾おうとすると、背中に乗ってくるんだよ。彼は“おんぶして”と言葉では言えないけど、自分がおんぶしてもらう方法を考えて行動できるんだ」、って。

そしてある日、彼が一度聴いたメロディーを、ほぼ完璧に鍵盤で再現できることを知って。子どもながらに、いろんな気づきや学びがありました。彼はその後、大人になってピアニストになったんです。シナリオを読み終わった時に、そのことを思い出して。僕や友達が当時経験したようなことを、この映画を観た人にも感じてもらえる作品になったらいいなと、参加したい気持ちが強くなりました。

――父親・七沢倫太郎という役については、どのように感じていますか?

自分と比較するのもあれですけど、倫太郎の方が大変だろうな、というのはありますね。妻に先立たれて、父と娘、一対一なので。うちは妻もいますし、娘も姉妹で二人いるので、例えば直接言えないことを誰かに伝えてもらったり、「ちょっと角を取って伝えておいて」みたいなことができますけど、この父娘はそれがなかなかできない。直接ぶつけ合うか、あるいは全く見せずに自分で抱えてしまう関係なんですよね。

奈那が都会へ夢を追って行く時に、お父さんがどんな言葉をかけたのか、どれくらい反対したのか。そういう物語の前にある時間も想像しながら作っていかなきゃいけないなと思っています。自分より、きっと背負っているものの重量感がある父親だと思います。

――福井の印象を教えてください。

僕の父が石川県出身で、子どもの頃から北陸には親しみがあったんです。昔は新幹線も今みたいになかったので、東海道新幹線で米原まで行って、そこから北陸本線に乗り換えて金沢へ向かう、本当に長旅でした。その道中で、「やっと福井に入った、もうすぐ石川だ」って感じていた記憶があって。通り過ぎる場所ではあったんですけど、なんとなく空気感というか、匂いみたいなものは知っている気がしていて、親しみがありますね。

あと、今日かけている眼鏡も鯖江のものなんです。すごく気に入っていて、かけ心地が本当に自然なんですよ。圧迫感も重量感もなくて、自分の顔の一部みたいな感覚がある。いろんな工夫や技術が詰まっているんだろうなって、この眼鏡からも感じています。

――福井で楽しみにしていることはありますか?

一番楽しみたいのは撮影です。もっと言うと、いい映画になるための力の一つになれることが一番楽しみです。完成した作品を観た時に、「ああ、いい映画になったな」と思えるように、そのために頑張りたいと思っています。

――公開を楽しみにしている観客へメッセージをお願いします。

撮影はこれからなので、まだ多くは言えませんが。僕自身、パラリンピックのアスリートの方たちを見て、力づけられたり、勇気をもらったり、「弱音を吐いている場合じゃないな、頑張ろう」と思うことがよくあるんです。

この映画も、観てくださった方がそんな風に何かを感じてもらえる作品になったらいいなと思っています。もちろん映画として楽しんでいただいて、できれば感動していただけるような作品にしたいですし、そのための力の一つになれるよう頑張りますので、よろしくお願いします。

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