二宮和也、吉永小百合は「ぼくの初めての人」“和也さん”と呼ばれドキドキ

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山田洋次監督最新作『母と暮せば』クランクアップ記者会見が12日、都内にて行われ、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、山田監督が出席した。山田監督は「戦後70年にあたってこの作品を作ったのは運命的なもの」と思い入れの強さを語った。
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終戦から70年―。長崎を舞台に、原爆で一瞬にして人生を失った息子とその母親の物語を描いた、優しくて悲しいファンタジー作品。助産師の伸子(吉永) の前に、3年前原爆で失ったはずの息子・浩二(二宮)が突然現れる。楽しかった思い出やかつて将来を約束した恋人・町子(黒木華)の話をして過ごし、その日々は長く続くようにみえた…。
本作が、吉永と二宮は初共演となり親子役。二宮が「小百合さん」と呼びかけ、吉永が「和也(かずなり)さん」と呼ぶことでぐっと距離が縮まったという。二宮は、「和也と書いてかずなりと読むのですが、吉永さんから『かずなりさん』とよんでいただいて、ドキドキしました。かずなりと呼んでくれる人は身内にもいなくて、ぼくの初めての人になりました」と語る。吉永も「小百合さんと呼んで下さったのでとても嬉しくて距離がぐんと縮まった気がしました。今ではテレビで危険なことをしていると、『大丈夫かしら、うちの息子』と心配しながら見ています」と満面の笑み。
吉永は『おとうと』以来、5年ぶり5度目の山田作品への参加。二宮は山田組初参加となる。「前日に緊張したのを覚えています。現場に入ってみると、独特の空気を感じました。監督から紙とペンを渡されて『自分の名前を書いてごらん』と言いわれたような気がしました。今までの自分をかなぐり捨てて、全力で初日の現場立たせてもらいました」と初日を振り返る。
本作では二宮が寮歌を歌うシーンも含まれており、山田監督は「とても良かった。素敵なショットでしたね」と歌手・二宮和也の歌いっぷりを絶賛。二宮は「監督につきっきりで歌い方とかも教えてもらって撮影したのを覚えています」と述懐した。
作品の根底には戦争や原爆といったテーマとともに、どこにでもある日常も丁寧に描かれている。他の共演者に山田組初参加となる人気子役・本田望結をはじめ、広岡由里子、小林稔侍、辻萬長、橋爪功が出演する。 また、2014年7月から中咽頭がん治療のため活動を休止していた音楽家の坂本龍一が、音楽を担当する。
映画『母と暮せば』2015年12月12日より全国公開。