人生のセコンドには『ロッキー』がいた 生誕40周年&新作公開、シリーズを総ざらい
ロッキーはこうした人たちに支えられ、天才アポロ・クリード、凶悪クラバー・ラング、ソ連の結晶イワン・ドラゴといったライバルたちと戦っていきます。最初の名前にピンと来たあなたはご名答、戦いを通じ友情が芽生え、敵対する側から同じコーナーへ回ることになるアポロこそ、新作『クリード』の主人公アドニスのお父さんであるのです。もはや神話を思わせる、めくるめくストーリー。
このように、なにせ40年に及ぶ長寿作品ですから、人生におけるあらゆることをロッキーが経験していきます。エイドリアンとの恋は愛と実ってやがて結婚へ至り、人生と誇りを懸けたアポロとの決闘、子どもの誕生、迷いと決断、勝利の栄光、慢心と挫折、別れ、友情、死、再起、許し、親子の愛、そして苦悩、和解、再生…それらが『ロッキー』に描かれています。ですから実人生でそうしたことに見舞われる度シリーズへ立ち返り、「ロッキーはどうしたか?」と考えれば、自ずと進むべき道が見えてきます。
『ロッキー』シリーズとはそんな人類が共有できる世界的文化遺産。いったん心に入れれば最新作『クリード』よろしく、いつでもロッキーがあなたを支え、導いてくれるでしょう。そう、「人は変われる!(第4作)」のです。ですが、『ロッキー』の道は1日してならず。まずは『クリード』を観ることからその道を歩んでいきましょう。(文:「しるべ寿太郎」こと しべ超二)
映画『クリード チャンプを継ぐ男』は現在公開中。