石原さとみ、『シン・ゴジラ』出演で「原爆や放射能について考えさせられた」

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映画『シン・ゴジラ』の完成報告会見が19日、都内にて行われ、キャストの長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、庵野秀明総監督らが登壇した。石原は「これほどまでに自分が生きる未来のために、深く学んでいこうという決意することはなかった」と語り、本作への出演で大きく感情が揺さぶられたことを明かした。
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第1作『ゴジラ』(54)が公開されてから60年以上、現在までに国内で計28作品が製作された『ゴジラ』シリーズ。そして前作の日本版ゴジラから12年。オリジナル脚本の完全新作が『エヴァンゲリオン』の庵野秀明総監督の手により完成した。メイン3人のほか、高良健吾、大杉漣、斎藤工、前田敦子、小出恵介、高橋一生ら豪華キャストが並び、総キャスト数が328名及ぶのも話題となっている。またこの日、本作が100の国・地域で配給されることが決まったと発表された
内閣官房副長官・矢口役を演じる長谷川は作品を観て「圧倒されました。新しいゴジラで新しい日本映画。多くの方々に観ていただきたい」と自信を表し、内閣総理大臣補佐官・赤坂役の竹野内は「フルCGなのにまったくSF感がない。かつての日本映画全盛の頃の作品を観ているよう」と見応えを感じたという。
そんな中、米国国務省の女性エージェント、カヨコ・アン・パタースン役を演じた石原は「怖くて震えました」と語り始める。「3・11の経験があったからこそ参考にできる部分もあったんですけど、映画を観てその風景が蘇ってきたりもしました」と打ち明けた。また本作で初めて気づいた感情があったという。「今まで日本人として敗戦や被災で被害者感情をもっている自分がいたんですけど、今回アメリカ側の人間を演じさせていただいて、先日オバマ大統領が広島で献花をされましたが、勝手ながらですけど自分自身気持ちが重なる部分もあって…。こんなにも原爆とか原発とか放射能について考えさせられたことはこれまでなかったです」とコメント。本作出演で、今までとは違う感情が生まれたようだ。
本作は続編の形ではなく、第1作同様、初めて日本にゴジラが現れるという設定だが、これについて庵野監督は「怪獣が出てくる映画の面白いところは、現代社会に異物が現れた時のおもしろさ。それは特撮だから表現できる。『ゴジラ』の面白さは第一作に集約されていて、あの衝撃に近づきたい、その思いで最初のゴジラと同じ設定にしました」と語った。なお会見には山内章弘エグゼクティブプロデューサーも登壇した。
映画『シン・ゴジラ』は7月29日より全国公開。