“心臓の弱い方は観ないでください”1500m断崖絶壁で空中キャンプする男たち

“登頂者ゼロ”のヒマラヤ最難関ルート、メルー峰に挑んだ男たちの壮大かつ圧倒的な映像美で観る者の心を揺さぶる登頂記録映画『MERU/メルー』より、彼らが捉えた世界的な貴重映像から“未公開特別映像”が解禁となった。
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“登頂者ゼロ”とされる標高約6250mのメルー中央峰、通称“シャークスフィン(サメの背ビレ)”。この多くのトップクライマーを拒絶してきたヒマラヤの世界最難ルートに取り憑かれたように挑み続ける3人の一流クライマーたちが、過去や葛藤を乗り越え、再び過酷な大自然に立ち向かっていく姿を描いたヒマラヤ・メルー中央峰、ダイレクトルート完登の全記録『MERU/メルー』。本作は2015年サンダンス映画祭で「観客賞」を獲得している。
本作の監督であり、プロデュースと出演、撮影までを手がけたジミー・チンは、アートとアドベンチャーの両立を自身のキャリアで成功させている数少ないカメラマンであり、ドキュメンタリー映像作家。ナショナル・ジオグラフィックのカメラマンとして、クライミングの聖地であるヨセミテで撮影を続ける一方で、世界のトップアスリートのブレイクスルーとなる挑戦の撮影も多く実現してきた。
この映像は、過酷なメルー峰登頂の行程が、たった2台の小さなカメラによって撮影された映像。難攻不落の壁に立ち向かうその詳細は、我々に未知なる世界を現実の物として届けるだけでなく、プロのクライマーも「真の登頂記録であり必見」と絶賛する程、山岳記録としても非常に貴重な価値を持つものとなっている。
映像は、ガンジス源流域の1つであるガンゴドリ山群の村から、標高6100mへ。1500mの断崖絶壁に空中テントでキャンプする彼らの姿は、マスコミ試写でも“想像もできなかった山岳の世界”として話題となっている。
ポータレッジとよばれる、岩壁に吊り下げる簡易テントが巧みに設置され、下を見れば6500m下までもちろん足の踏み場もない光景に足がすくむ。まさに動画といえども「心臓の弱い方は観ないでください」と注意が必要なほどの脅威の映像となっている。
映画『MERU/メルー』は12月31日より全国公開。