『湯を沸かすほどの熱い愛』中野量太監督の新作『長いお別れ』来年公開

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日本アカデミー賞主要6部門を含む国内映画賞計34部門を受賞した映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で知られる中野量太監督が、直木賞受賞作家・中島京子の『長いお別れ』を映画化することが分かった。中野監督は「認知症を扱った映画としては、今まで観たこともない作品になると思います。ずっと家族を映画で描いてきた僕の、また一歩進化した最高傑作を目指します」と語っている。
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本作が描くのは、認知症を患った元・中学校校長の昇平、家族への献身的な愛情を絶やさない母・曜子、人生の岐路に立たされている二人の娘・芙美と麻里の物語。彼らは日に日に遠ざかっていく昇平の記憶の中に、それぞれの人生を生き直すために必要な、ある“愛しい思い出”が今も息づいていることを知ることとなる。
常にオリジナル脚本で独自の世界を作り続けてきた中野監督が、初めて小説の映画化にチャレンジする本作。「この本を読んだ時、オリジナル脚本へのこだわりを簡単に捨てられました。それくらい撮ってみたいと思えたし、僕の頭の中で面白くなる想像が、どんどん膨らみました」と語る。
また、「アルツハイマー型認知症を患った父を持つ家族の話なのに、何度も笑って、何度も優しい気持ちになって。僕が描きたい家族の映画がそこにありました」とも話している。
原作の中島は「認知症と聞くと、年老いた親が壊れていってしまうと身構える方が多いと思うのですが、発症してからが長いこの病気と向き合う時間は、ただつらいだけの日々ではなく、涙もあれば笑いもあります。家族にとっての大事な『別れの時間』だと、私は思っています」とコメント。「映画の中で、素晴らしい俳優さんたちが、どんなふうに演じてくださるのか、いまからとても楽しみにしています」と期待を寄せている。
本作は2018年8月末にクランクインしており、9月いっぱいでクランクアップする予定。キャストに関しては近日発表される。
映画『長いお別れ』は、2019年全国公開。