『バースデー・ワンダーランド』原恵一監督、キャラクターデザインは一目ぼれ!

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映画『バースデー・ワンダーランド』公開直前イベントが4月23日に都内で行われ、本作のメガホンを取った原恵一監督、キャラクターデザインを手がけたロシア人アーティストのイリヤ・クブシノブ氏、ゲストの樋口真嗣監督が出席した。
【写真】キャラクターデザインにも注目! 『バースデー・ワンダーランド』場面写真
本作は、子どもから大人まで幅広い世代に愛され続けている、柏葉幸子の「地下室からのふしぎな旅」(講談社青い鳥文庫)を、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』や『河童のクゥと夏休み』などの原監督が手掛けたファンタジーアニメ。ある日突然「幸せ色のワンダーランド」へ救世主として連れられた少女・アカネが、危機に瀕した“ワンダーランド”を救うべく冒険する姿を描く。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』の鑑賞がきっかけで原監督のファンになったという樋口監督は、本作の印象を「原さん攻めてるなと。物語も冒険ものだけど、それ以上に原さんが冒険しているなと」と語り、「見た事のない要素をぶっこんでいるというか。今まであまりそういう方に踏み込んでいなかったのか避けていたのかは分からないですけど、これをやろうと思ったのはすごい」と感嘆。
原監督いわく「ファンタジーというのはあまり興味がない分野」だったそうで、「仕事としてエンターテインメントのファンタジー作品というのが最初にあり、じゃあ僕なりに攻めて攻めて攻めまくった作品にしようと思っていました」と述懐。キャラクターデザインを手掛けたイリヤ氏については「なかなかこの人というのが見つからない時にたまたま入った書店で画集を見て、これだと思ってすぐにコンタクトを取りました。その時に画集が出たばかりの時期だったので、速攻で捕まえないとと思って」と一目ぼれだった事を振り返った。
そんなイリヤ氏は当時日本に住んでいたそうで、「日本語学校に2年くらい通って、卒業しようという時にアニメーションを作りましょうと提案が来まして」と話し、原監督との仕事には「自分のイメージを伝わりやすい言葉や写真、イラストで見せてくれたので、すぐに分かりました」と紹介。
この日の会話はすべて通訳なしの日本語で交わされており、原監督は「(イリヤ氏は)仕事を始めた頃はこんなに日本語をしゃべれなかったです。コミュニケーションは僕は僕でつたない英語、イリヤはイリヤでそれを一生懸命日本語で答えるというやり方でした」と振り返った。
また、作品エピソードではアカネの猫耳が描かれた経緯も紹介。原監督は「僕は絶対やらないつもりでした。そうしたら、イリヤが絶対やりましょうと。若い現場のスタッフも『いいっすよ!』と言って、イリヤも勝手に猫耳のアカネを描いてきたので、ここまでやりたいなら分かったよ、と」。イリヤ氏をはじめ若いスタッフの熱意に押されて実現した事を振り返っていた。(取材・文:中村好伸)
映画『バースデー・ワンダーランド』は4月26日(金)より全国公開。