仲野太賀主演×石井裕也監督『生きちゃった』公開決定 共演に若葉竜也
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俳優の仲野太賀が主演を務める石井裕也監督の最新作『生きちゃった』が、2020年に全国公開されることが決まった。
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仲野は『町田くんの世界』に続いての石井組参戦。共演に『葛城事件』や『愛がなんだ』などに出演した若葉竜也。2人は2017年の『南瓜とマヨネーズ』以来の共演となる。脚本は石井監督によるオリジナル。
山田厚久(仲野)と武田(若葉)は幼なじみ。厚久は結婚しており、5歳の娘がいる。平凡だがそれなりの生活。だがある日、厚久が会社を早退して家に帰ると、妻が見知らぬ男と情事にふけっていた。厚久は怒ることも悲しむこともできず、感情にふたをするしかなかった。その日を境に厚久と妻、武田の関係はゆがんでいき、物語は予期せぬ展開へ…。
6月の上海国際映画祭にて発表された新プロジェクト「B2B(Back to Basics)A Love Supreme」=「原点回帰。至上の愛」への参加作品。同プロジェクトでは「映画製作の原点回帰」を探求するというコンセプトのもと、石井監督はじめアジアの名だたる6人の監督たちが、独自の「愛」についての映画を製作する。
本作は『All the Things We Never Said』という英語タイトルで、中国および香港、台湾、マカオなど世界各国の劇場でも公開される。
石井監督はプロジェクト参加の理由を「忖度や制約ゼロ、完全なる自由の中で映画を作ったらどうなるのか? 強度の高い傑作になるのか、はたまた独りよがりの映画になるのか。大いに興味が湧き、このプロジェクトを引き受けました」と話す。脚本は3日間で一気に書き上げ、信頼している仲間を急いで集めて、参加を決めてから2ヵ月でクランクインしたという。「まるで自主制作映画のように夢中になって撮影しました。おカネも時間もなかったですが、とにかくみんなでフルパワーを出し合って捨て身でこの映画を作りました。出来上がったのは、俳優たちの凄まじい本気と魂が感じられる剥き出しの映画です」としている。
主演の仲野は「本当のことが言いづらいこの世界で、懸命に生きる父親を演じました。愛について真っ向から挑んだ、人間回帰の物語です。若葉竜也さん、そして尊敬する石井裕也監督と共に、胸が張り裂けるような日々を過ごして作った今作が、きっと誰かを勇気づけると信じています。僕自身にとって、生涯大切にしたい映画になりました」と語っている。
若葉は「オファーをもらい、台本を開いた時、石井裕也監督からの『果たし状』をもらったような気分でした。『死ぬ気で来てよ。』って。『生きちゃった』の台本にはそれだけの気迫があったし、役者の端くれとして『やらない』という選択肢はなかった。毎日、全シーン、全カット、心血込めてやりました」とコメントしている。
映画『生きちゃった』は2020年全国公開。